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甘く、深く、繋がって
第5章 燻るモノ
必死の抵抗に斎藤さんがキスを止めて上体を離してくれた。
「……真純、俺殺す気?」
顎を引いた上目遣い。熱を帯びた眼差しにドキンとする。
「ねぇ、明日忙しい?」
「こ、これから年末に掛けては少し」
「じゃあ今度いつ会えるの?」
「え……と」
「夢の国、いつ行くの?」
「あ……」

ヤダ私。
勝手にそういう事されるんだと思ってた。

勘違いしていた事が恥ずかしくてじわりと頬に熱が集まる。
そんな私に斎藤さんがニッコリ微笑んだ。
「もちろん、頑張ったらご褒美、くれるよね?」
艶やかなシンメトリー。

あぁ、囚われる……

うっとりと見つめたまま、私は斎藤さんの問い掛けにただ頷いていた。
クスリと笑われて呪縛が解ける。

あれ、私……今、とんでもない事に頷いたような気が……

「じゃあ今週末ね。迎えに行くから」
記憶を探ろうとして掛けられた言葉。

え?今週末?

驚いて見上げると、斎藤さんはまたニコリと笑って私の乱れた服を整えてくれた。
「一度鏡を見てから戻ろうね」
言われた瞬間、さっきまでの行為が思い起こさせられて顔が熱くなる。思わず俯いたら斎藤さんに抱き寄せられた。
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