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五十嵐さくらの憂鬱。
第8章 …8
「さくら、起きて」

甘いキスに起こされて
さくらはうっすらと目を開けた。
そして見たことのない風景に驚き
文字通り飛び起きた。

「ははは、そんな、びっくりしなくても」

樹が笑いながら机に温かいコーヒーの入ったカップを置いた。

「朝ごはん、食べる?」
「あの、私…」

朝日の差し込む部屋は明るく
樹の整った顔がまるで作り物のように思えた。

「昨日、あのまま寝ちゃったんだよ。
食べたら、シャワー浴びておいで」

樹に抱き起こされると
足元がおぼつかない。

「まだ、腰が抜けてるの?」
「ち、違っ…」

裸であることに気づいて慌てて隠すと
柔らかく抱きしめられた。

「慌てないの。転ぶよ?」

樹は近くのクローゼットから
シャツとスエットの下を取り出してさくらに渡した。

「服は洗濯しちゃったから
乾くまでこれ着てて」

それを着て、さくらはおずおずと席に着く。
樹のシャツは樹の匂いがして
さくらにはそれなりに大きかった。

トーストとサラダとスクランブルエッグ。
玉ねぎのコンソメスープに
温かいコーヒー。
シンプルだが、充分なボリュームの朝食に
さくらは心が踊った。

食べ終わって食器を片付けようとすると
ひょいと取り上げられて
バスルームへと連れて行かれる。

「やるから、ゆっくりあったまって」

お風呂にはお湯が張ってあり
いい匂いの入浴剤がいれてあった。
さくらは熱いシャワーを頭から浴びた。

「……っう!」

お湯が胸元を流すと、ヒリヒリとした痛みが襲う。
見れば、光輝に噛みつかれた頂きが
赤くなっていた。
青痣になった胸元の噛みつき痕は
みるも無残だ。

その頂きに、そっと触れる。
昨夜、樹がたくさん消毒してくれた。
青痣をくまなく消毒し、愛してくれた。
それを思うと胸が苦しく
ぎゅっと心臓が縮まるような気がした。

さくらはそこにゆっくりとお湯をかけて
背中にもシャワーをかける。

「…こんな幸せなの…ばちがあたりそう…」

さくらは1人ごちながら
温かいお湯に浸かって
身体の中まで温めた。
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