この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
五十嵐さくらの憂鬱。
第9章 …9
「いいじゃないの。いまどき、そこまで尽くしてくれる彼氏いないわよ」

それに、と付け加える。

「相性がいいのなんて、恋人にしたら最高の条件じゃない」

小春はにんまり笑った。
さくらは水筒のお茶をすすり、
オーバーヒートした頭を冷やした。

「でも、こんなに毎日してたら
すぐ飽きられちゃうんじゃ…」
「ばかね、あの手のタイプは
1度ハマったら2度と離さないわよ。
もうそのままゴールインかもよ。
覚悟した方がいいかもよ」

ゴールイン。
言葉の意味がわからなくて混乱した。
小春はなんにも問題ないじゃない、と
話題を切り替えた。

その日の夜だ。
バイト終わりにさくらの部屋に樹が来て
「そろそろ今のセックスも飽きたな…」
とつぶやいたのは。

きた!
さくらはとっさに身構えた。

ーーーほらみろ言わんこっちゃない!
もう私、飽きられたぞ!ーーー

さくらはお玉で樹の視線を遮った。

「ちょ…なにしてんの?」

お玉を持つ手を掴まれても
さくらは怯まずに視線をそらす。

「こっち向けよ」
「や、やだ…」

さくらに腹が立ったのか
樹は脇腹をくすぐった。

「あ、ずる! それはダメ!」

さくらは悶えるが樹はやめない。
逃げ回るようにして樹から離れるが
結局ソファで捕まってしまいくすぐられる。

「たんま、たんま!
ギブアップです、先輩!」

さくらが足をバタバタさせると
やっと樹はさくらを離した。

「まったく…なんだよ」

ーーー飽きたって、言ったじゃないーーー

さくらが口を尖らすと
顎を持たれて、優しくキスされた。

「なに拗ねてんだよ。
飽きたって言ったの、気にしてんの?」

うなづくと、樹はけらけらと笑った。

「今のセックスには、だよ。
さくらにはまだ飽きてない…飽きるかよ、
欲しくてたまんなかったの、やっと手に入ったのに…」

抱きしめられれば
さくらは胸が苦しくなる。
こうまでして良くしてくれる樹に
何かできないものかと考えてしまう。

「先輩…あの、私に何か手伝えることありますか?」
「んー?」
「私、いろいろしてもらってばかりで
なにもお返しできてない気がして…」

さくらの耳を甘噛みしながら
樹は考えている様子だ。

「あの、何でもします!」
「なんでも?」
「はい!」

そう言ってから
さくらは樹の悪戯な瞳を見て後悔したが、遅かった。
/249ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ