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五十嵐さくらの憂鬱。
第3章 …3
落ちていく夕陽に、樹の長いまつげが
頬に影を落とす。

「幸せそうに寝ちゃって…」

さくらはなぜか微笑ましくなってしまい、
横にしゃがんで樹の顔を覗き込む。
すべすべのお肌が羨ましくて
指で頬にそっと触れた。

パッと樹の手が伸び、あっというまにさくらの手を掴むと
その指を咥えた。

「……!!!」

驚きすぎて声が出せないでいると
樹が猫みたいな目を開ける。

「寝込み襲うなんて、大胆だな」
「ちょ、襲ってないじゃないですか!」

言い訳しないの、と、
起き上がりざまに唇を奪われた。
触れてすぐ離れる唇に戸惑って見上げれば
優しくイタズラな瞳と目が合う。

さくらは恥ずかしくなって顔に血が登るのを感じながらも
その視線から目を逸らすことができずに
釘付けになった。

「昨日の話をしようか」

隣に座るようにそっと手を引かれる。
浮いた腰に自然に伸びた手が触れて
樹にピッタリくっつくように座らされる。

「ちょ…ち、近いです…」
「嫌?」
「いや、じゃないけど…」

ーーー恥ずかしい。

光輝はこんなことしない。
むしろ、してくれなくて
さくらがいつもべったりくっついてしまう。

それを嫌がることはしないが
だいたいゲームをしている光輝にとっては邪魔なのか
さっさと態勢を変えられてしまうのが常だ。

「さくら。こっち向いて」

俯くと顎を持たれる。
顔が近づいてきて、またキスされるかと思いきや

「しないよ。期待しちゃった?」

意地悪な笑みが返ってきて
さくらは余計に顔が熱くなるのを感じた。

「意地悪しないでください」
「彼氏居るのにキスして欲しいの?」
「ちが…」

言い終わらないうちに、今度は本当に唇を奪われた。

ーーーだめだーーー

気持ちいい。
さくらの身体の中心が、甘く疼く。
それは、光輝とでは味わえないキスだった。
優しく、これでもかというほど優しく
さくらの反応を待っては
焦らすように、ゆっくりと舌先を滑らせる。

ーーー溺れちゃうーーー

ココアよりも甘いキス。
光輝を想う憂鬱な気持ちでさえ
じんわりと溶かしてしまうような。

唇が離れてしまうのが名残惜しく感じられた。
もうすでに、さくらは樹に囚われていた。
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