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五十嵐さくらの憂鬱。
第3章 …3
その言葉に
さくらは光輝を想った。
1年も付き合った光輝。
優しくて、わがままで、シャイで。
なかなか会ってくれなくて
ゲームが好きで、仕事が忙しくて…。

2人で居られれば幸せだった。
だけど、いつからか、
光輝との淡白なえっちに物足りなさを感じてしまっていた。

ーーー私が変われば
光輝だってもっと求めてくれるーーー

もっと感じる身体になれば。
もっと、光輝を満足させられる身体になれば。
もっと、締まりがよくなれば。
もっと、お互い気持ちよくなれれば。

さくらは樹を見つめた。

ーーー光輝のため。私が、この人にこんなことされるのは光輝のためーーー

本当は自分が気持ちよくなりたい。
欲求不満の自分を認めたくない。
もっと樹から受ける快楽に溺れてしまいたい。

その欲求に光輝を隠れ蓑にしていることは
さくら自身が1番わかっていた。

だからこそ、後ろめたい。
光輝を想っているのに
いうことをきかない身体がもどかしい。
樹にいたぶられて
悦んでしまう自分があさましい。

ーーーでも、止められないーーー

「…なりたい…変わりたいです…」

樹の口の端が持ち上がる。

「もっと…感じる身体になりたい…
そうしたら、光輝ともっと一緒にいられるような気がして…先輩、私を変えてください…」

樹がさくらの頭を優しく撫でた。

「いいよ。さくらの望み通り、
変えてやるよーーー彼氏もびっくりするような淫乱な身体にね」

樹は甘い甘い
痺れるようなキスをした。
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