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あやかし姫の蜜事 ~巫女の夜伽は人ならざる者と~
第1章 蜜事・一 毛羽毛現の髪之助(はつのすけ)
「ふふふふ……よくぞ、よくぞ言ってくれた。あやかし姫」

男はひとしきり笑うと、静かに暦に言葉をかけた。

「本来ならば、妖怪の欲を全て受け止めて鎮めるべき存在が貴女だ。しかし、こうなっては貴女を鎮めるために私が抱いている。これでは本末転倒ではないですか?」
「っ……だって……」
「快楽の味をしめてしまっては、それを拒むのは難しい……それは理解できます。人間はどこまでも快楽に貪欲で奔放な生き物ですからね。だから……」

ふと、暦の手首に何かが這った。

「えっ…?」
「私の好きなように抱いても、文句はありませんね?」
「っ!」

手首を這ったのは、男の髪の毛の束だった。
髪の毛が密集して細い縄のようになった束は、暦の両方の手首を絡め取り、そのまま頭の上に引っ張っていき一つに纏めてしまった。

「ああ……!」

若干の恐怖と、この上ない期待が込み上げる。

「これで、手による抵抗はできなくなりました。胸を隠す事もできませんね。尤も、貴女には抵抗する気がないと思いますが」
「ん…っ…」

男の言葉は図星だった。
試しに解けるか力を込めてみたが、髪の毛はびくともしない。
そして力を込めようと身じろいだ際、大きな胸はぷるんぷるんと柔らかく揺れた。

「ふふ、そんなに胸を揺らして。誘っているのですか?」
「あん!」

ピンッ、と乳首が指で弾かれた。

「ほら、ほら……貴女の好きな胸責めですよ? 気持ちいいでしょう?」

まるでスイッチを入れたり切ったりするように、素早く、何度も、何度も、男の指で乳首は弄ばれる。

「ああ、あん、あっ! いい、いいのぉ…あっ…乳首、責められっ…て…感じるぅ…!」

暦の言葉に、男はますます満足気に笑った。
暦も暦で、更なる快楽を欲して脚をもぞもぞと擦り合わせた。
男はそれを見やると、再び蔑むような笑みを浮かべる。

「乳首だけでは足りなくなってきたのですか? そんなに脚を動かして」
「あっ、そっちは……」

僅かに焦りを見せる暦だが、男は気にも留めず膝を掴むと、

「もっと触って欲しい、でしょう?」

力を込めて、思い切り開いた。

「あぁ……そ、そこは……!」
「……ふふ、これでは下着を着ける意味がありませんね。ご自分のここがどうなっているかお分かりですか?」

言葉で嬲られ、敏感な胸を弄られ続けた暦の身体は、既にとろとろに溶けていた。
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