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Moon road〜月への道
第2章 出会い
タクヤが出掛け、タクヤのベッドに戻りシーツを取り外すと、精液の臭いが鼻を付いた。

(やっぱり昨夜はあんなことがあったのよね。)

頭が当たっていた壁を見つめながらため息が出ていた。


午後になり、新井も帰り、
家事にひと段落つき、
自分の部屋に戻り出掛ける準備をしながらふとレースのカーテン越しに外を見ると、
義父のユウイチが事務所で女性と一緒にいた。

女性の方からユウイチに抱き着き、キスをしていた。

義父はまだ40代、それも独身でかっこいいし
女性がいても不思議は無い。

それでも義父という立場の人間が女性とキスをしていたら、少しショックに思えたのだ。


結婚式の準備の為に打ち合わせに出掛ける為、
ユウイチに出掛ける旨を伝えに事務所に行った。


ドアをノックすると返事がし、事務所に入ると、さっきの女性が刺すような視線でりえを見る。

「お義父さん、じゃ、行ってきます。」

女性はすかさず、
「お嫁さん?」
と、りえに聞いた。

「はい、いらっしゃいませ、義父がお世話になっています」

りえは、作り笑顔でその女性に言うと、義父の方を見て会釈して、
「ごゆっくりどうぞ」
と、言い残し出掛けた。

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