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第6章 天の先の国

窓から差し込む朝日でテーブルの花瓶がキラキラと輝いていた

「また、あの夢…」

私は老人…改め、ﾕﾝﾊﾞﾙに助けられた後、ﾕﾝﾊﾞﾙの故郷のこの土地へとやって来た。

この国の人々は、とても優しく親切で、すぐに打ち解けた。

私は本当に異世界に転移したのだ。

コンコン

「どうぞ…」

ドアの向こうの訪問者へ声を掛けると１人の女性が入って来た

年は私より少し上、笑顔の素敵な女性、加奈子だった。

「おはよう！千夏」

「おはよ！」

加奈子とは、ここに来て半年後くらいに出会った

ある日ﾕﾝﾊﾞﾙが、血相を変えて飛んで帰ってきたのだ。

「千夏！お前の同郷かもしれん！はよーいってやれ！」

そう言われ、私は教えて貰った場所へ急いで向かった

木々の立ち並ぶ一角に、１人の女性が座り込んでいた

私はそっと近づき声を掛けてみた

「あの…こんにちは」

女性はゆっくりとこちらに視線を向け
「こんにちは……あ…貴方が、千夏さんですか？」

「はい、長谷部千夏です。あの…少しだけ、お話いいですか？」

私は、彼女が頷くのを見てから、その隣に腰を下ろした。

「あの…私…まだよくわからなくて…私は、生きてるんですか？」

加奈子の質問に、私は力強く頷く

その後、お互いの話を色々した。

やっぱり、加奈子も私と同じだった、私と同じ被害者。

汚い雄に汚され、殺された。

そして、この世界へ転移したのだ。