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NEXT 【完結】
第73章 正式に同棲開始
日にちを見ると金曜日の夜遅くに着く便で。

せっかく土日まで休みがあるのに。

そこを気にしていると、その事に羚汰も気づいたらしい。

「日曜着だと、こっち帰ってこれないし。土曜だとチケット高いし。それにー」

羚汰が、画面に顔を向けたまま、少し言いにくそうにしている。



「ついで、と言ったらあれだけどー。俺の実家に、稜を連れていきたいから」

!!

利用する空港から、車で2時間もかからない場所に、羚汰の実家がある。

ついこの間、稜の実家に羚汰は来てくれた。
ちゃんと両親にも挨拶をしてくれて。
確かに、今度は稜が行く番だろう。

「って、...いいかな。行ってくれる?」

「もちろん!!」

いつかは挨拶に行かなければとは思っていた。

ただ、稜の両親と違って、同棲に寛容な羚汰の両親は、羚汰からの報告も逆に喜んでいたらしい。

「結構ハードなスケジュールになっちゃうけど」

「ううん。大丈夫!」


こうして次々とチケットを取り、国内の移動の予定も立てていった。

「...すごい。本当に現実なんだね」

まだまだ先のように考えていたが、こう現実が見えてくると実感が湧いてくる。

「やべ、レポートしなきゃ」

色々チケット取ったりしているうちに、2時間はゆうに経っていた。

「ごめんね。忙しいのに」

「イタリア内のホテルとかは俺に任せて。後で取っとく。それより、このレポートがー」

「うんうん。後でいい。本当に邪魔してごめんね」

「いや。...まだかかるから、稜はもう寝てて」

稜は、邪魔をしないようにそっと側から離れた。



羚汰に言われた通り、ベッドに入る。

でも、イタリア旅行が本当に現実のものとなってきた。
じわじわと実感が増す。

どこに行きたいか考えといてと以前に言われたが、ガイドブックをめくる度に、そのページの街全てに行ってみたい。

羚汰が行ってよかった場所がいくつかあった気がしたけど。それはどこだったかー。

行きたい街云々よりも、あの異世界に羚汰と一緒に旅できるのが何より嬉しい。
それも、一週間も。

この前の旅館は1泊2日だったし。
その前の、森家の別荘に行ったのも長く感じたが2泊3日。

一週間もべったり一緒に居ることなんて、なかったんじゃないだろうか。

今も同棲とはいえ、羚汰はほとんど出掛けていて夜しか帰らないし。
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