この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第74章 出発前
あっという間に月日が流れ、梅雨を通り過ぎ、夏になり一気に暑さがやって来た。

羚汰がイタリアに出発するまで後一週間を切った。

もうすぐ、一ヶ月近くも地球のほぼ反対側に行ってしまうとは、なかなかピンと来ない。
稜も一ヶ月後に追いかけるが、それまでは離れ離れだ。

相変わらず、羚汰は今日もパソコンに向かって何やら作業中だ。

稜は、メガネをかけ真剣な表情の羚汰に声をかける。

「羚汰。麦茶、飲む?」

「んー、あー。そうだね」

なんだか上の空のような気もするが、仕方ない。

数日前に大学の試験やらレポートやらが終わり、イタリア旅行に向けての準備が本詰めらしい。

「はい。ここ置くよ」

ソファのテーブルにコースターを置いて、麦茶のグラスを乗せた。

羚汰は床にあぐらを組んでパソコン画面に張り付いたままだ。

「んー」

せっかく今日は早く帰ってきたのに、ずっと作業であまり会話すら出来てない。

少し寂しくなって、でも仕方ないとすごすご離れる。

「よし。...稜、ケータイ貸して」

羚汰がパソコンの画面に顔を向けたまま、手だけを伸ばす。

「??なんで?」

「はやく」

ケータイを羚汰に言われて貸したことなどない。

羚汰のスマホが行方不明で、呼び出して鳴らしその場所を突き止めるのかと一瞬思ったが、羚汰のスマホもパソコン横に置いてある。

「イタリアの予定とか、入れるから」

そう言われて納得して自分のスマホを渡す。

羚汰はすぐパソコンに繋いで、何やら作業を始めた。

何をするのだろう。

恐る恐るパソコンに近づいて画面を覗こうとする。

「見たい?」

「...うん」

なんだか意味深な笑いをする羚汰が気になったが、内容が気になる。

後から追いかける稜は、1人で日本国内と、イタリアまでの飛行機に乗らないといけない。
1人で海外に行ったことはなく不安が大きいのだ。

床からソファに座り直した羚汰が、その足の間に稜を座らせる。

画面では、稜のスマホにデータがいくつも移動中だ。

メガネをかけたままの羚汰が、稜の肩にあごを乗せる。

体を羚汰の腕がぎゅうっとまとわりつくように回されて、その心地よさに体が反応してしまう。

やっと今日の羚汰に触れることが出来て嬉しくなり、顔を近づけて稜からキスをした。

少し驚いていた羚汰も、それに応えて舌を交わす。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ