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NEXT 【完結】
第74章 出発前
エアコンを入れているとはいえ、電気代のことを考えてそこまで冷やしてはいない。

稜はキャミと薄手のショートパンツ、羚汰もタンクに薄手のハーフパンツと、2人とも某ファストファッションの部屋着セットだ。

それだけ直接肌が触れる部分が大きく、薄い生地越しに触れるのですら、気分が高まる。

何度も唇が交わされ、舌が触れる。

互いの頭を引き寄せてより近づく。

「...っ、んっ、...んふっ」

もうこのままソファになだれ込むかと思っていると、羚汰がパソコン画面の変化に気づいた。

「あ、終わった」

パソコンに向き直って、何やら作業をまた始めた。

稜は、ソファに沈んでいた体を起こす。

なんだか羚汰が黙々と作業を始めたのが面白くない。

その体に後ろから抱きつく。

火照った体は続きを欲している。

羚汰は違うのだろうか?

「ははっ、そんな顔しないで」

むくれていると羚汰が、また膝の間に誘導してくる。

「ほら、これ」

作業終わったのか、ケーブルを外し、スマホが戻ってきた。

「...うん」

「ここんとこ、まとめといたから」

全体的なスケジュールはもちろん、フライトスケジュールやら、空港の地図やら色々入っているらしい。
羚汰がパソコン画面を使って説明してくれる。

上の空でその説明を聞く。

ふとスマホを見ると、その「イタリア旅程」フォルダの横に、「R」というフォルダもあることに気づく。

「こっちは?」

一通り終わったであろう説明のあと、不思議に思って聞いてみる。

「うん。それはー、これ」

パソコンの画面を見ると、いくつかデータが入っているようだ。

題名が
『その1』『その2』で始まり、5まであって。

それから『スーツ』『エプロン』。

はたまた『白衣』『ルーズソックス』『ビキニ』『エロい下着』。

流石に稜も、そのファイルが何なのか気づいてきた。

「ちょっ、羚汰!これって!!」

「うん。そー。こないだから撮ってたやつ」

後ろから耳を噛むように、羚汰の声がする。

「稜も、いるでしょ」

2ヶ月ほど前に、羚汰に1ヶ月も離れるんだからと懇願され、スマホで撮影を始めた。

初めはほんの少しだけだったのが、次第に色んな服を着せられるようになったのだ。

「俺が好きなのはこれかなー」

羚汰が『エプロン』のファイルをクリックする。

「え、うそ!」
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