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第77章 異国の地
「うわーーー!すごい、すごい!」

「稜、さっきから、すごいしか言ってない」

羚汰が笑うほど、稜はすごいを連発していた。

「だって。どこ見ても素敵なんだもん!」

アレンツォさんに送られて、車で30分ほどで街の中心部なのだろうか、賑やかな場所に出てきた。
そのまま街の中を、なんだか怖いぐらい乱暴なアレンツォの運転で進み、酔いそうになる。周りの車も無謀な運転が多いので、ここらはこんなものなんだろう。
道脇に止めてある車も、アレンツォの車のようにぼこぼこ当てたあとがある。

ピザ屋から少し離れた場所で下ろしてもらって、街を散策だ。

羚汰の説明によると、観光客の多い一番の繁華街ではなく。
少し外れた場所にある、地元の人が多い場所らしい。

古そうで大きな石造りのビルが並び、その下にはいくつもの小さな商店が入っている。
スーパーっぽい商店や、フルーツや野菜がてんこ盛りに並べた八百屋、観光客目当てのお土産屋、電気はついてるのに張り紙がしてありどうやら休憩中の古本屋に、安っぽいアクセサリーを売ってる店。

どのお店も日本とは全然様子が違って、見るだけで楽しい。

しかも、ちょっと路地を覗くと、下町風で風情があり。
建物を渡して洗濯物があったり。
おじいちゃんが椅子に座ってぼーっとしてたりする。

街を歩く人たちも、現地の人もいれば、違う国からの観光客もいるようだ。
不思議と日本人とはあまり会わない。

「なんだか外国来た〜!!って思えてきた」

「あはは。今までは?」

クラウディアさんをはじめ、人物には沢山会ってはいたが、なんだかイタリアに来た実感がなかったのだ。

「ごめんな。昨日は」

「あ、別に羚汰を責めてる訳じゃないんだよ」

当初の予定では、まずは空港からほど近いイタリアの首都で2日ほど観光する予定だった。
それから、週の中頃に南部。そして一気に北部に移動。

明後日の宿を、この街の近くで取っているらしく。
そこにどうしても泊まりたいから、キャンセルしてないとか。

「そうなると、北のほう行けそうにないんだよね...」

羚汰ががっくり肩を落としている。

「だから、いいってば。羚汰と一緒にいれたらどこでも」

イタリアの抜けるような青空が、稜を素直にさせたのかもしれない。
少し恥ずかしいことを言っちゃったかなと思った時は、羚汰の腕の中に抱きしめられていた。
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