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NEXT 【完結】
第80章 promessa
「Hi!」

羚汰が長椅子に座りながら、先客たちに軽く挨拶をすると、それぞれに挨拶を返してくれた。
稜もつられて手を振る。

割と近くにいてシャンパンを飲んでいる肌の色の濃い男性に、羚汰が英語で話しかけた。
どうやら、飲み物はどこでもらえるか聞いているらしい。

肌が黒いのであんまりハッキリ見えないが、どうやらその男性の腕には、タトゥがいっぱい入っていて。
筋肉も凄く、映画のアクション俳優かのようだ。

そんな人物と笑いながら英語で会話をする羚汰に、改めて驚きと尊敬を覚える。

「稜、座ってて。飲み物とか貰ってくる」

「え、あ、うん」

素早く立ち去る羚汰に、ぽつんと残されて緊張する。

さっきまで羚汰と話していた男性が、稜に英語で話しかけてきた。
羚汰があれだけ英語が話せるから、稜も話せると思ったようだ。
早口で一度言ってから、向こうも稜の反応を見て、もう1度ゆっくりめに聞き直す。

日本人か?今日着いたのか?

なんとかそう聞き取れて、数秒遅れて返事をする。

「シ!シ!」

大きく頷き言った後で、あれ、これ英語だっけ?
と、我に返る。
聞いた男性もなんだか苦笑いしているようなー。

そこへ羚汰が帰ってきて、なにやら英語で返事をしてくれた。

ほっとするも、2人が盛り上がって笑っているので、なんだかバカにされた気分だ。

「はい。どーぞ」

「何笑ってたの」

シャンパンを受取りながら、小声で聞いてしまう。

「ん?べつにー。世間話?」

なんだか悔しくて、もらったシャンパンを一気に飲み干す。

喉も乾いていた。

「あー」

「おかわり」

乾杯をしようと掲げている羚汰に、グラスを突き出す。

しょうがないなと、笑って自分の飲んでないグラスと交換し、羚汰がまた立ち上がった。

もらったシャンパンも半分ほど飲んで、それからテーブルにあったフルーツをいくつか口に入れる。

心地よい風が吹いて、パラソルの合間に抜けるような青空が見える。
プールの水面がキラキラと光って、程近くに海の音もしている。

気持ちがいいー。

稜は、長椅子の背にもたれて伸びをした。

部屋にいるよりずっといい。

いつの間にか、稜は目を閉じていた。


向こうのうで、羚汰がスタッフらしき人と何やら立ち話しているのが見える。

今度はイタリア語だろうか。

どうせ、稜には分からないー。
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