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NEXT 【完結】
第81章 ばたばた観光
割腹のいい少し強面の船長さんがやってきて、なにやら手を差し出しながらイタリア語で話しかけてきた。
言葉は稜にはわからないがそのジェスチャーで、なんとなく意味がわかった。

「稜、俺達も写真撮ってもらお」

頷くと、羚汰がスマホを取り出しながらイタリア語でお願いしだした。

スマホを受取りながら、船長さんがみるみるうちに笑顔になって。
何やら羚汰に大喜びで話しかけ、羚汰が立ち上がって話し出す。

何の会話をしているのだろうと思ってふたりを見ていると、今度は船長さんが大きな声で笑い始め。

羚汰をバチバチ叩くハグをして。
それから、サングラス越しでわかりにくいが、稜を見ておそらくウインクした。

もう一人の船員さんや、他の乗客の人達にイタリア語で何やら話し始めた。
船長さんの大声に皆興味を示して、どやどやと集まってくる。

「え、何、何!?」

座ったままの稜を、羚汰が横に立たてせて。
腰を抱えるようにしておデコにキスをした。

あっという間に集まった全員から拍手が沸き起こり、口々に何か言っている。

その間にも船長さんが、写真を撮りはじめて。
こっちを見ろと言われているようで。
何が起こってるのか羚汰に確認出来ない。

「え?ええ?」

周りと真横の羚汰の顔を見比べていると、羚汰の手が稜の左手を掲げた。

おーっと歓声があがり。
主に女性陣がその左手を覗き込む。

「昨日の夜、婚約したばかりだって、説明した」

「!」

それでか!

初老とまではいかない、母親ぐらいか少し上ぐらいの上品そうな奥様が、指輪のついた稜の手を取り覗き込む。
彼女も水着ではあるが、ネックレスやら指輪やらで着飾っている。

稜の手を取り、何やら英語でビューティフルだの。カラーがどうのって言っている気がする。

羚汰が英語で何やら返すと、稜の手を握って、まるで、高価なものだから大事にしなさいねとでも言っているのだろう。
伝わったと思ったのか、にっこり笑って去っていった。

「これ、そんな高価なものなの...?」

羚汰を見ると、羚汰も驚いているようだ。

「...知らない。そうみたいだね」

「え!みたいだねって!!」

羚汰が座るのを見て、追い掛けるようにして隣に座る。

「そんなこと、クラウディア一言も言ってなかったんだけどな」

羚汰が驚いたため息をついている。
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