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NEXT 【完結】
第82章 イタリア最終日
結婚当初、心を開こうとしなかったクラウディアにロメオは毎日愛の言葉と共に花を送った。

傷ついたクラウディアの心を癒すように。
鮮やかな色の珍しい花を見つけては贈り、香りの豊かなハーブがあると聴けば遠くまで買いに行って贈った。

最初は無関心だったクラウディアも、徐々にその花達に魅さられ。
自然と、暖かな愛を与えてくれるロメオに惹かれていく。

花をプレゼントするのは2人が本当の夫婦となっても続けられ、結婚当初の家は花で溢れかえった。
そこで、田舎ではあるが家も庭も広い今の場所に引越したのだ。

かつての婚約者から貰うはずだった指輪は、自然と忘れ去られていたのだろう。
引越しの際にどこかに紛れ、まだ小さなアレックスが兄弟と屋根裏部屋で遊んでいた時に見つけるまでホコリをかぶっていた。

その見つけ出した時に、2人から話を聞いたのだと言う。

「...じゃあー」

「稜に、貰って欲しいって」

そして、見る度に思い出して欲しい。

愛は傍にいて言葉と行動で伝えないと意味はない。
愛しい人には常に傍にいて手を握って。
目が合う度にキスをして。
息を吐く度に愛を囁く。
どんな高級な物を贈っても、その愛には勝てないのだから。

「...クサいな」

流石の羚汰も、アレックスの言葉を訳しながら苦笑している。
聞いているだけの稜も赤くなってきてしまう。

そんな2人を嘲笑うように、アレックスが胸を張る。
その台詞に羚汰が笑い出す。

「あはは。だから、アレックスはホウボウでそれを繰り返しているってさ」

女癖が悪いー、とは言っても本人はそう思ってはいないのだが。
それはその教えがあるからだ。
ということらしい。

「今日の格好は?そのうちの誰かの好み?」

気になっていたスーツの理由を聞いてみた。

訳してくれると思っていた言葉が、羚汰によって返される。

「あれ?稜に言ってなかった?アレックスはさー」

主にスーツを取り扱うファッション会社のCEO。

それが遊び人アレックスの職業だった。

派手な車も、キメキメのスーツも納得する。



その車が空港に着いた。
色んな話を聞いて長い距離もあっという間だ。

アレックスにたくさんのお礼を言って、時間がなく軽く挨拶を交わして別れる。

結婚式には必ず日本へ来るって、その時には俺らがもてなそ。

羚汰がそう笑っていた。
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