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NEXT 【完結】
第83章 斎藤家
目が合ったのは、おそらく洗面所からなかなか帰らない2人を迎えに来たユウマで。
指さしてこちらを見ている。

稜は、慌てて羚汰を押しのける。

「違っ!」

どこから見ていたのだろうか。
やはりあのキスか。

「ユミちゃーーーん!!リョウがー!!!」

そう言いながら、リビングに走り去った。

「羚汰っ、見られた」

「見られたねぇ」

羚汰は何故だかのんびりしている。
いつの間にか放り出されて床に落ちていたタオルなんかをまったーり拾っている。

「ね、どうしよう」

「どうしようって、べつにイイじゃん、キスぐらい〜」

そういう羚汰の手をとってリビングに急いで戻る。
行きがけと反対の構図だ。

リビングでは、ユウマによる再現ジェスチャーが始まっていた。
みんな爆笑なのは、ユウマが小さな体を自分で抱きしめてくねくねしているからだろう。と思いたい。

「...こーやって、こーんなふう!!」

「あんたたち洗面所で何やってるの〜!」
「もう、リョウくんやるぅ!」
などなとど、一斉に話し出して余計にパニックだ。

「違うんですー!」

本当は違わないけど。どうにかして否定しないと。

「ちがわないよ、こうやってぎゅーしてあたまをなでなでしてた」

「...ほら」

羚汰がにんまり笑う。

キスは見られてないってこと?
そして羚汰はそのことに気づいていたのだろうか。

「...そうだけど」

全視線にさらされ、とりあえずハグしていたことは認める。

なーんだそれだけ?と大人たちの反応が残念そうに思えたのは気のせいだろうか。

「子どもたちの前で、あんまり刺激的なことしないようにー!さ、ケーキ食べよ!」

「はーい!いただきまーす!」

ユミさん、いや、羚汰のお母さんが笑ってそう言って、アリが勢いよく返事して、その場は収縮する。

しずしずと、さっき座っていた位置にもどり座り直す。

こぼした紅茶は入れ替えられ、テーブルにきちんと乗っている。

「稜さん、だったわね。さっきのことは気にしないで、どんどん食べてね」

「あ、はい。ご馳走になります!」

にっこり笑って差し出してくれた皿には、なんだかどす黒い塊が乗っている。

「チョコプディングよ」

プリンと聞いて益々イメージと違う。
粒か一杯連なって、滑らかさは微塵も感じられない。

稜は恐る恐るフォークを進めた。
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