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NEXT 【完結】
第83章 斎藤家
「おれも行こうか!?」

弟のユウマが、小さな胸を張って先導しようとしてくれる。

「オマエはいいの」

羚汰が笑って、ユウマを追い返す。

さっき通った玄関を通って洗面所に行く。
大きめの洋風な引き戸を明け、これまたおしゃれな洗面所にたどり着く。

「ほら、こっち」

引っ張れた手を流水に当てられる。
やはり少し染みる。
恥ずかしくてさっきから羚汰の顔が見れない。

羚汰は、完璧にスマートな挨拶をウチの両親にしたのに。

「大丈夫だから」

「うん。...ごめんね」

こんな時にも優しい羚汰の声で、目に涙が浮かぶ。

羚汰の体が後ろから包むように近づいて、そのまま抱きしめられる。

「こんな火傷ぐらいで、大袈裟だな。誰も怒ってないから」

頭が優しく撫でられ、余計に涙が出そうだ。

ももいいよ。

そう言って水道を止めると、タオルを出してくれる。
手を拭いていると、タオルが取り上げられ、その小さくつまんだ先で伏せた目元をそっと拭かれる。
手で顔を向けられ、反対の目も拭われる。
目が合うと、にいっと羚汰が笑っている。

「大丈夫だって。今日の夜にはもう笑い話になってるから」

そんなの嫌すぎる。

「あはは。だって、しょーがナイじゃん」

「そうだけど...」

「ほら、ここシワになってる。笑って?ね?」

眉間のシワをつつかれ気にしてると、チュッと羚汰にキスされる。

「!」

まさかキスされると思ってなかったので、目を見開いて驚いていると顔を手で抱えるようにして、また唇が重なる。

ここは羚汰の実家で、しかも洗面所で。
すぐ近くには家族がいてー。

「羚汰っ」

「んー?大丈夫、ここ俺たちしかいないから」

顔の手を避けようとするもビクともせず、また唇が重なる。
今度はゆっくりと下唇が挟むように吸われて、稜も抵抗をやめてしまう。

ふふっと羚汰が笑った気もするが、その背中に腕を回しながら柔らかなキスを繰り返す。

しっかり抱き合ったと同時に舌が交わされ、深く口付ける。
場所も忘れて夢中になって互いの唾液を奪い合う。

「ヤバい...」

「ん...」

確かにこんな所でー。

昂った感情を持て余すように抱き合ったまま、羚汰が稜の頭を撫でる。
稜も羚汰の肩に顔を乗せ、乱れた呼吸を落ち着かせていると、廊下に人影が見えた。



「あー!!エッチなことしてるー!!!」
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