この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第84章 パイプベッド
山ほどケーキやらクッキーやらフルーツやら差し出されて。
羚汰が言っていた通りのなんとも言えない味がするそれらを、断れなくて片っ端から食べた。
羚汰が止めようとしてくれたけど、それでは感じが悪い。

やっと一通り食べて、もうお腹もパンパンになり。
もう動けないーっとなって、恐ろしい事実を聞かされた。

これから予約していた中華料理店に行くのだと。

頭が真っ白になったのを今でも覚えている。

斎藤家の皆は、さほど太っているわけでもなく。
ケーキ食べても元気に出掛け始めた。
流石に留学生2人は行かないらしい。
どうやらアリには宗教的に外食は難しいのだとか。
イルマは、バイトがあると言っていた。

タクシーに分乗して近くの中華料理店に行き、そこで羚汰の父親とお兄さんに初めて会った。

はじめましての挨拶もそこそこに、料理がじゃんじゃん運ばれてきた。

個室がなく、がやがやとした店内で、大きな声しないと反対側にいる羚汰の両親とは会話できない。

稜の隣はもちろん羚汰なのだが、その反対にはユウマが座って、その向こうは誠一だ。
2人してたわいもない質問で絶えず話しかけてくる。
どうやら2人には気に入られたらしい。

料理はどれも美味しかったー、気がするが、なにせお腹いっぱいで味どころではなかった。
最後の杏仁豆腐が、すっきりさっぱりで美味しかったのだけ覚えている。

家に帰ると、また紅茶やさっきの残りがちょこっと出てくる。
流石に皆、フルーツをつつく程度だ。

羚汰の父親が羚汰の予言通り、何やら小ぶりな額に入ったデッサン画を自慢げに持ってきた。
中はハガキ大ぐらいだろうか。
額の面積のが数倍ある。

お父さん曰く、「ピカソの原画」らしい。

鉛筆で人物の横顔をさらさらっと下絵した、という、一見誰にでも書けそうなスケッチだ。

横で、ユミちゃん、じゃなくて羚汰のお母さんが、首と手を大きく横に振っている。
知世さんも笑っているので、誰も本物と思ってないようだ。

それでも、お父さんの講釈は止まらない。

これをどこで見つけたとか、どうやって購入した、とか、あのテレビ番組に出したら高値がつく。とか。

それこそ、よくあのテレビに出てる骨董好きの人たちと同じだ。

それでも話の腰を折るわけにもいかず、延々と聞いてしまった。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ