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第85章 母の思い
ん?

と至近距離のまま目を見つめてくる。

付き合ってほぼ1年の記念日に、結婚式。
すごくロマンティックで、甘美な響きだ。
さっきまでの理論的な理由をすっかり忘れるほどに。

「したい...」

唇を撫でていた指が、その場所でぴたりと止まる。

羚汰の顔が今度は耳元に近づいて、より声を潜めた。

「稜こそ。まだ真昼間だけど...」

ワザと稜の耳元でゾクゾクするような声がする。

「シタいとか、言っちゃうんだ?」

「...っ。ちが...」

甘い声と共に、耳に軽く唇が触れる。
それだけで、背中を何かが駆け上がる。

思わず変な声が出そうになって、いつの間にか掴んでいた羚汰の服を、慌てて押しやる。

「羚汰っ、お腹空いた。お弁当っ」

「ちえー」

それ以上はするつもりなかったのか、楽しそうに笑いながら、羚汰も離れた。

駅で買った二種類の弁当をテーブルに広げ、少し遅れたお昼だ。
何だかんだと話し込んでいたから、もう自分たちの降りる駅にほど近い位置まで帰って来ている。

少しだけ急いで食べ切ると、ちょうどいいぐらいになった。

新幹線から電車に乗り換え、マンションのある駅に着く。

近くのいつものコンビニで、日本に着いた時送った荷物を受け取る。

ガラガラとスーツケースを引きずって、やっとの思いでマンションまでたどり着いた。

閉め切っていたむんっとした部屋が不快で、稜は窓を開けまくる。

エアコンをかけるにも、少し風通しをしたほうがいい。

その間に、羚汰がテーブルをよけて、スーツケースやら荷物やらをそこに並べた。

「重っ」

ほとんどが稜の荷物やらお土産やらだ。

洗濯物も多いので、片っ端から広げて取り出し洗濯機を回す。

お土産をとりあえず、紙袋にまとめて。
後で仕分けする。
明日の会社に早速いくつか持って行かないといけない。

テキパキと動き回る稜に、自分の洗濯物だけ出し終えソファに座っていた羚汰が、慌てて立ち上がる。

「あ!熱帯魚!」

寝室に飛ぶように行って、すぐ戻ってくる。

今回、稜も出かけるので、自動エサやりマシーンを購入していた。
温度調節は昔からあるし、それらのマシーンで羚汰の姪から預かっている熱帯魚は心配ないはずだ。

「大丈夫だった?」

「うん...。しかし、俺らも引越しあるのに、ヤツらどうしよう」

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