この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第85章 母の思い
お姉さんの住んでいた街から、このマンションには車でなんとか移動したらしい。
しかし、今度の引越しはそうはいかないだろう。
お姉さん家族が日本に帰ってくるのは、あと1年以上ある。

ふと何かが引っかかる。

お姉さんの旦那さんは、仕事が始めから3年の予定で渡米しているのだ。
同時期に今の大学に編入して2年通うことになっている羚汰と、どうやったって計算は合わない。

「...そーなんだけど、さ」

苦笑いしてるところをみると、お姉さんと姪っこちゃんに言いくるめられたのだろう。
その代わり、家賃の補助をしてもらっていると聞いた気がする。

「まあ、どうにか運ぶしかないかなー」

「そうだね」

羚汰はもちろん、稜も熱帯魚にすっかり愛着がある。

「それより、稜。今日中に片付くの?」

羚汰がリビング一面に広がった荷物を踏まないように、移動している。
そのぐらい足の踏み場もない。

「うーん。なんとか」

とりあえず荷物は仕分けたので、今はお土産物を広げまくっている。
100円均一で買ったいたラッピングの袋に、買って帰ったお土産を詰める。
パスタ、パスタに混ぜるだけでソースになるチーズ、乾燥ポルチーニ、チョコなど少しづつを一人分のお土産にするためだ。
これを会社の人に配る。
社長と、旅行の日程を社長に言っていて長くしてくれた数子には、手厚くお土産を渡したい。

他にも実家の分や弟家族の分、千夏たちの分もあるが、そこまで手が回るかどうか。
とりあえず、明日会社には行くのだから、その分は済ませないと。

「ああ、そっかー」

台所で羚汰の落胆した声がする。
声のするカウンターの中を見ると、いつの間にかお風呂に入ったらしく半裸姿に頭が濡れている羚汰が佇んでいる。

「どうしたの?」

「冷蔵庫、なんもねー」

1週間留守にするので、食べ物はほとんど無くして出掛けた。
帰りにスーパーに寄るべきだったのだ。
荷物がすごくてそれどころではなかった。

「チャリで行ってくる。稜はまだまだかかるでしょ」

「ごめんね」

一時よりは片付いたと思うが、まだ半分近く広がっている。

「なんか食べたいものある?」

「んー。シュークリームかな!」

イタリアでも、羚汰の母親が用意したイギリスお菓子にも、シュークリームのようなお菓子はなかった。
あのぼってりしたカスタードが恋しい。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ