この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第86章 NEXT
「あの時は本当にごめん」

空港で無事出会えていたら、まず北部地方を観光してから、南に下る予定だった。

同じイタリアでも北部は全く違う趣きで、美術館や教会など、観光名所も多い。

「そっち方面はまた今度行こう」

「今度?」

その“今度”という言葉が、あまりにも普通に羚汰の口から出ていておどろく。
まるで、ちょっと先の、例えば車で数時間のアウトレットにでも行くのかというような。

稜の心配がわかったのか、羚汰が笑っている。

「うん。冬は飛行機ぐっと安いよ」

イタリア北部は、冬はすごく寒くなる。
といっても、北海道より少し寒いぐらいだが、観光客は夏に比べると激減らしい。
そして、年末年始や連休を避けたらぐぐっと安い。

「結婚式と空いちゃうけどさ、1月末か2月ぐらいに新婚旅行にどう?」

「行きたい!!」

顔だけを少し振り返る。

「じゃ、決まり〜!」

優しく唇を合わせ、顔を寄せ合う。


「...なんだか、これからすごく忙しくなりそうだね」

来週は両家の顔合わせ。
12月頭は結婚式で。年明けたら新婚旅行。
それから帰ったら、羚汰は卒論の最終提出があって。
新しい部屋を探して、引越し。

稜は、今の仕事を辞めるとしても。
引き継ぎもあるし、急な話なので、すぐにすぐ辞めれるとも限らない。

特に結婚式まで2ヶ月ちょっとしかなくて。
今決まってるのは、日時と場所だけ。

すぐにでも招待客をリストアップして、お伺いを立てつつ招待状を送ってー。
会場との打ち合わせもある。
料理やケーキのこと。着るドレス。流す音楽に、挨拶してもらう人。引出物や、テーブルの飾り。
クラウディアも来たがっていたから連絡して。航空券やホテルを手配しなきゃだし。

「...稜。りょーーう!」

羚汰が、顔中にキスを落としてくる。

「え、なに?」

「はっ。やっと気づいた?」

羚汰の顔がいつの間にか、稜の上に覆うようになって見下ろしている。

「え?何??」

「何、じゃねーし」

羚汰が疲れた風にまた横になって、稜の体をまた抱き締める。

「そんな考えてたら寝れなくなるって」

「...」

確かに、思いつくことをどんどん喋りまくって。
羚汰にしたらドン引きかもしれない。

そうだ。もう4年近くも前の事だが。
前彼の時も、こんな風にして。
それで失敗しているのに。

「明日にしよ」
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ