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第2章 遭遇
「ゆっくりイチャイチャしたいの!!濃厚なエッチが!!」

結婚式まで忙しくてそういう時間が取れないのは仕方ない。
しかし、それが結婚式が終わって1ヶ月も続くというので、千夏も参ってしまったのだろう。

流石にそれではストレスが溜まるので、
結婚式が終わってからにはなるが、どこか駅前のホテルにでも泊まるか、週末温泉にでも行くか。
という話を婚約者の貴之に提案していた。

しかし、結婚式や建築、引越しで物入りの時期、貴之としては余分なお金を使いたくないらしく、千夏の提案に乗り気でない。

二人はこの事で、喧嘩になりかけていたー。


「ねー、稜。お願い!!頑張って2人で稜の為にエッチしまくるから!私がエロい喘ぎ声出しまくるから!!」

ちょうど食後のデザートが運ばれて来た所で千夏が力説する。

「ちょっとちょっと!だから、声が大きいって」

デザートを運んできたアルバイトらしき女の子とばっちり目が合う。
慌てる稜だったが、アルバイトの子のほうが上手なのだろう、涼やかな顔をして去ってゆく。


「いいじゃない、稜。千夏も助かるんだしさ」

「シーツとか持ち込むし、全部元通りにするから!」

どうやら冗談ではないらしい。
すがるような目で千夏が手をあわせている。

友達に自分の部屋をエッチ部屋として貸し出すのは聞いたことないし、
常識的に考えても可笑しいのはわかる。
でも、そんな非常識な提案にもすがりたいぐらい、稜は参っていた。

一晩貸すことによって、前のような平安が訪れるなら...。


「...わかった。だけど、最終手段ね!!」

少し考えた稜が観念して顔をあげる。

「つまりは、こっちの物音を聞かせればいいってことでしょ。喘ぎ声に限らず」
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