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第2章 遭遇
「もしうまく行ってたとしても、喘ぎ声をワザととか、無理だし!!」

「えー。盛り上がると思うけどな」

「ほかの人にもあんな風に聞かれてると思うと、それこそあのマンション住めないわ。」

「じゃ、えっろいAVを大音量で流すー?」

「AVってわかるでしょ!!そんな大音量でAV見てる独女、痛いわっ!!」

「じゃ、稜が一人芝居で喘ぎ声を連呼するとか??」

「もう、喘ぎ声から離れようよ〜」

もはや、からかう有希子と慌てる稜で、漫才になっている。


「...じゃ、1日私に貸してくれない?」

それまで珍しく少しの間黙っていた千夏が神妙にお願いしてきた。

「実はさ、ホントだったら出来上がっている予定の新居が遅れててー」

千夏が言う新居とは、貴之の実家のすくそばの小さな畑を潰して、母屋に付随するような形で新婚の為に離れを作っている、そのことだろう。

基礎をするころ、長雨が続いたり、
前が畑だったこともあって、地盤改良に思いの外時間がかかり、工期は遅れに遅れ、もう数週間後には結婚式だというのに、完成予定は式よりまだ1ヶ月先らしい。

貴之は最近まで一人暮らしをしていたが、更新時期もあって、新居が出来上がるからとその部屋の解約手続きをしてしまい既に部屋は引き上げた。今はとりあえず母屋の客間で生活をしている。

おそらく式が終わったら、その客間で新婚生活がはじまるー。居間に隣接した和室の客間で。


「うわ。。。」

「今もバタバタしててゆっくりラブホ行ってるマもないのに、これから先2ヶ月近くもエッチ出来ないかもなんだよ!死んじゃうよ!!」

「あら、私なら燃えるけど。その状況」とは有希子。

「私は無理ぃ〜!!」
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