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第16章 黎明

「痛くなかったでしょ？」

「...うん」

まだ意識が朦朧とする中、頭をなでられるのを感じる。

見つめ合ってまたキスを交わす。

中から抜かれているようだが、リョウの指はまだ周辺をゆったり弄っている。
手の動きに合わせて、卑猥な音がする。稜にその存在を知らしめるように。

あ、すっごく濡れてる...。

その音に気付いて稜は顔が赤くなる。
濡れにくく乾きやすいと思っていたそれが、相手によることに気付かされる。

稜の反応を見て、リョウは音を鎮める。

「またゆっくり、ね...」

そう耳元で言うリョウの言葉に、これから先どれだけの快感を与え続けてくれるのかと、背中がぞくぞくっと震えた。

まだリョウの指先が、稜のワレメを行ったり来たり、時々ぷっくらとしたそこに当たって軽く揺すられたり。

稜は、口を閉じて鼻でゆったりと呼吸し吐息を漏らす。

リョウの唇は、ゆっくり稜の首筋や耳のあたりを這っている。少し荒くなった息が、稜をくすぐる。

体が敏感になった稜は、その繰り返される柔らかな刺激に体をくねらせ淡い吐息をこぼし続ける。

「...もうそろそろ俺も限界」

稜の濡れた姿に、リョウはズボンの前をはちきれんばかりにしていた。


そう言って、リョウが自分のズボンに手を掛ける。

それだけの動作なのに、稜は体がもっと火照ってゆく。


スキニーパンツだったが、仰向けになって素早く脱いだ。
一緒にボクサーパンツも脱ぐ。

ベッドに腰掛け、下に落ちている箱を拾い、素早く装着しているが雰囲気でわかった。


手馴れたその動作が、稜の胸を締め付ける。

まだ若いのに、どれだけの数を熟してきたのだろう...。
さっきから繰り返される愛撫も、彼のしぐさも。

そう思うと、目にうっすら涙が出てくる。


リョウが向き直ってキスをしてきた。

舌を強く絡ませ、これから始まる何かを実感させるような熱いキス。

「好きだよ...」

目が合いリョウがささやく。

見つめ合ったまま、リョウが自分のそそり立ったそれを稜にあてがう。