この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第20章 ウワサ
ふと目が覚めると、羚汰の寝息を感じた。

長い睫をふせて、気持ちよさそうに眠っている。

そう言えば、寝顔を見るの、初めてかも。

外は随分明るくなってきているようだ、水槽の光も全く気にならないほど明るい。
静かな部屋の中、羚汰の寝息と酸素のポンプの音が響いている。

昨日、羚汰が話してくれたあの話。
なんだかまだ信じられない。
こんなに綺麗な子が、ずっと想っていてくれたなんて。

柔らかくふわふわした明るい髪の毛。
耳にいくつも開いたピアス穴。

そっと触る。

まぶた。そして唇。

この目と口で、稜はどこまでも蕩ける。

唇に手がかかったとき、ぱくっと食べられた。

「きゃ!」

にやりと笑って、稜の手を甘噛みしている。

「起きてたの?」

「うーん。たぶん途中から?」

そう言って、指をペロリと舐める。慌てて手を引っ込める。

「や...なんかエロい」

「稜がエロい事考えてたからじゃない?」

「違うし!可愛いなと思って触ってただけ」

「ほんとに〜?俺が寝てる間に何かヤラしいことしてたんでしょ〜!ひょっとして、俺、寝込みヤらやられちゃった?」

ハッと驚くフリをして、下半身を覗き込む。

「ひどっ!!いくらなんでも、そんな事しない!!」

羚汰の脇腹を軽くパンチする。
くすぐったがりなのは、ついさっき知ったばかりだ。
案の定、軽くこそばゆがって、仕返しをしてくる。

2人でつつきあってじゃれあう。

いつしか、抱き合って笑っていた。

「やべー。ちょー楽しい!」

「うふふ。バカップルだよ」

「バカップル?なにそれ?ま、いっか。バカップル最高!!」

見つめあって笑いあってキスをする。
朝にふさわしい、爽やかなキス。

と思っていたのは稜だけのようで、どんどん羚汰が入ってくる。

「...んんっ、ちょ、羚汰っ」

「...何」

「パン、食べない?」

「パン〜??」

「昨日渡したじゃん。お腹空いたでしょ」

「...確かにお腹は減ったけど」

「駅前に最近新しくできたお店のパンだよ〜。昨日昼に会社の皆で並んで買ったんだー。カレーパンが幻のカレーパンなんだって!限定300個がお昼頃にはいつも完売なの。それが買えたんだ〜!!」

「カレーパン...」

「揚げてないカレーパンらしいから、二日目も美味しいってゆってたよ!」
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ