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第20章 ウワサ
「ほんとに〜?俺、カレーにはうるさいよ?」

「ぴり辛キーマカレーらしいよ。...私、一緒に羚汰と食べようと思って、昨日食べなかったんだけどな」

ぐずぐず稜に抱きついて甘えていた羚汰だったが、最後の一言でやっと機嫌が良くなる。

「じゃ。食べる」

「ほら行こう?」

稜が、腕を引っ張って羚汰を起こす。

勢い良く抱きついて、そのまま移動しようとする。

「ちょっとー。歩きづらいよ?」

「だってー、俺はずっと布団で稜とイチャイチャする予定だったのに。稜が起こすから、イチャイチャはする!」

「ふふ。何それ?」

「稜さー、パジャマ、このタイプが多いよね」

「?うん」

稜は、部屋着兼パジャマで、丸首でワンピースタイプのすとんとした膝丈ぐらいのものが多い。
この時は、ノースリーブにパーカーを羽織っているが、同じような形状だ。

「下までボタンのシャツっぽいやつかー。ここがこのぐらいまででもいいから、ボタンのやつにして?」

羚汰が、後ろから稜のミゾオチの辺りを指し示す。

「??なんで??」

「おっぱいが触りたいのー!これだと触り難いじゃん?脱がせ難いし」

ワンピースの上から胸をわしわしっと揉む。

「!!ちょっと!!」

「もっとセクシーなやつでもいいけど?」

と囁きながら耳を食む。

「...やだっ」

「えー。けちー」

「パンどこ?」

少し怒ったように稜が羚汰を振りほどいてパンを探す。

くすくす笑いながら悪びれた様子もなく、パンの場所を指し示す。

「ついさっきカフェラテ飲んだけど、どーする?他の...」

「カフェラテがいい!」

「はーい」

「トースター借りるね」

稜はパンをカレーパンの他にいくつかトースターに入れた。

「なんかいいね。2人でキッチンなんて」

「えっ。そう?私なんて、パンをトースターに入れただけなんだけど」

羚汰のところはカウンターになってはいるが、元々一人用だ。2人入ると体がぶつかるほど狭い。

「稜は料理するの?」

「うーん、まぁ、ぼちぼち?」

「あはは。何それ」

「だって、ピザ職人さんを目の前にして、さ。こないだのパスタソースも美味しかったし」

「まぁ、イタリアンは、ね。簡単だから。和食とかは苦手」

「そうなの?」

「普段、昼間は学校だし、夜は賄いだし、和食って食べもしないなぁ」
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