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第22章 カップルとしての初デート
ピンポーン


月曜日の朝、稜がいつも通りの時間に出社準備をしていると、玄関のチャイムが鳴る。

スコープを覗くと笑顔の羚汰が立っている。

玄関を開けて迎え入れる。

「おはよ」

「稜、おはよう!!!」

強い力で抱きしめられる。

「ああっ、久しぶりの稜のいい匂い」

「鍵あるんだから、入って来ていいのに」



日曜日の夜は、やはり飲み会が抜けられなかった羚汰が連絡してきて、結局会えなかった。

「羚汰...お酒臭いよ??」

「うーん。やっぱり?昨日相当飲まされたからなぁ~」

「今日、大丈夫なの?学校行って」

「うん。今日は行かなきゃなんだー。また寝とくから大丈夫」

「...食欲はある?」

「食欲どころか!性欲だってあるよ?」

そう言って、キスをしようとする。

慌てて、稜がさえぎって逃れる。

「えー。酒臭いから?チューしたい!!」

口を尖らせて羚汰が拗ねる。

「時間がナイのっ。...食欲あるなら、はい。これ」

稜が、小さな袋を羚汰に渡す。

「何コレ?」

「お弁当。お昼に食べてね」

袋の中は、丸っこいお弁当箱とおむすびがいくつか入っていた。

「こっち野菜スープが入ってるから、気をつけて」

「マジで!?」

「初めて羚汰の作るから、量がわかんなくて。おむすび3コ入れといた。足りるといいんだけど」

「めっちゃ嬉しいっ!!」

「ほんと?よかった」

「稜のもあるの?」

「うん。羚汰のはついでだからね」

「ついででも嬉しい」

「ふふふ。さ、もう出なきゃ」


2人で部屋を出る。

手をつないでエレベーターを待つ。

すぐ来たエレベーターに乗り込む。

階数を押した手を体に回して羚汰が軽くキスをしてきた。

ちゅっ。

また

ちゅっ。

「ちょっと!人が乗ってくるって」

「見られてもいいよ」

「ほら、もう着くし!」

エレベーターが開いて1階に着いた。

逃れるようにして稜が歩き出す。

「ちえー」

「ほら、歩いて。電車間に合わないよ」

エレベーターから降りた羚汰の足取りが重い。

「チュウしたいチュウしたい!!」

駄々っ子のようになっている。

「...だって。し始めたら長くなるじゃん。時間ナイって」

「じゃあ、5秒だけ!舌も入れないから!」
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