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NEXT 【完結】
第28章 甘い時間
「電車に乗ったよー!」

羚汰からLINEが入る。

毎日、バイト終わり、電車に乗る前、電車降りた時、マンションの下に着いた時、とLINEで報告がある。

バイト終わりの連絡で用意を初め。
電車に乗る辺りで羚汰の部屋に移動し、エアコンをつける。
マンションに着いた時にドアの前で待つ。
なんとなくそんな流れになりつつある。

いつも通りドアの前で待っていると、羚汰が帰ってきた。

「ただいまー!!」

言葉と同時に抱きついてくる。
羚汰の腕の中で、稜は応える。

「おかえり!」

稜はこのハグが好きだ。
ごついブルゾン越しでも、羚汰の温かさを感じる。

羚汰はそこから始まるディープなキスのほうが好きなようで、すぐそれに変わる。ブルゾンの前を開け、稜の体を半分ほど包む。

玄関先で舌を激しく絡めたあと、まだ続きをしたい羚汰の手を指を絡めて稜が引っ張りながらやっと部屋に入る。

「今日のランチめっちゃ忙しかった〜」

「お疲れ様。フレンチトーストはやっぱりお持ち帰りはやってなかったよ」

その言葉にがっかりしているのが指先から伝わる。

「だからね。別のお店だけど、ケーキ買ってきたの」

「マジで!?」

「うふふ。食べる?」

「食べる!!」

稜が冷蔵庫からケーキの箱を取り出す。

「何がいい?3種類買ってきたんだけど」

羚汰の好みがわからなかったので、悩んだ挙句、3種類も買って帰った。
オーソドックスなショートケーキと、栗や小豆がふんだんに乗った抹茶のムース、フルーツたっぷりのタルト。

「どれも美味しそう!!稜はどれがいいの?」

稜の体を後ろから抱きしめるようにして、ケーキの箱を覗いている。

「私はいいよ。お昼にたくさん食べたし」

「えー。一緒に食べようよ」

「それに、こんな時間に食べたら太っちゃう」

「大丈夫!また激しい運動をすればいいよ」

そう言って、稜の耳を食む。

「ちょっと」

「それに、俺が今一番食べたいのは稜だしー」

「羚汰っ」

ワンピースの下から登ろうとする手を必死に押さえる。

「何?」

「ケーキ食べるから、カフェラテ、入れて?」

体を回転させて羚汰の方へ向き、顔を両手で掴む。

「へーい」

羚汰がにやにやしながら手を引っ込め、カフェラテの用意をする。
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