この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第30章 不安な気持ち
稜はいつの間にか横向きにされ、後ろから抱きかかえられていた。

羚汰がしきりに頭を撫でている。

全裸のままだったが、体中の汗は拭きとられ、大きなバスタオルの上に寝かされている。


「気が付いた?...しんどいだろうけど、もう7時が来るよ」

「...うん」

体を起こそうとするも、体のあちこちが攣ったように痛い。

「...っ」

「会社、休めないの?」

「月曜日だから...無理かな」

「...そうなんだ」

稜の着替えを手伝い、部屋まで送る。

「手伝おうか?」

「ううん。...大丈夫」

「じゃ、迎えに来るからね」

そう言って羚汰は自分の部屋に戻る。

稜はなんとかシャワーを浴びて用意を済ませた。





電車の中、羚汰に抱きかかえられるようにして立っている。

体が重く睡魔が襲う状態で、もはや周りの目は気にならなかった。

羚汰の腕の中でうつらうつらとなりながらもなんとか眠らずにいると、耳元で優しい声がする。


「稜...愛してるよ...愛してるからね」



ゆっくりした羚汰の声が、すーっと稜の中に入ってくる。



稜は、いつの間にか涙を流していた。



ああ。




ああ、この言葉が聞きたかったのだ。





いや、言葉ですらないのかもしれない。





この温もりが、稜を満たしてくれる。




激しく羚汰を求めてカラダが満たされても、不安は消え去らなかった。




今は、ココロが満たされている。



溢れる涙を、それに気付いた羚汰がブルゾンの袖で拭ってくれる。


涙で滲む中、羚汰の笑顔が見える。


自然と稜の顔も緩んでくる。



「...やっと笑った」


ほっとしている羚汰の顔が近づいて、軽く唇が重なる。


「!!...ちょっ、電車の中っ!」

慌てて羚汰の体を押して離れる。


「えー。今までずっとくっついてチュッチュしてたのにー」

「うそっ」

羚汰がにやりと笑っている。


電車が止まって、稜の下りる大きな駅に着く。


「またあとでね。LINEするからね」


羚汰が手を振って見送っている。

稜も手を振って電車を見送った。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ