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NEXT 【完結】
第31章 相談
羚汰は今どんな顔をしているのだろう。


まさか結婚云々の話が出てくるとは思わなかっただろう。

厭きれているのだろうか。それとも悲しんでいる?失望?

これだから30女はって思ってる?

もう嫌気がさしたかもしれない。


時々発せられる短い声では判断がつかない。


いつしかゆるくなっていた羚汰の腕を押えるようにして自分の体からほどき、恐る恐る羚汰を見上げる。


今にも泣きだしそうな、悲しい目をした羚汰がそこにはいた。


慌ててその首元に抱き着き直す。


「羚汰っ!...ごめん。ごめんね」


勢い良く抱きついたので、羚汰の体が倒れてゆく。

「またタックル...」

羚汰が、少し苦笑いしながら稜の頭をぽんぽんと優しく叩く。
ソファーの上で羚汰を押し倒したようになっている。


「ズルいよ、稜。そんな風にされたら、怒れないじゃん?」

「ごめん...」


羚汰が腕を回して稜をきつく抱き締める。

「俺のほうこそ、ごめん。俺が学生でなかったらよかったんだよね。...ごめんね」

謝る羚汰に、慌てて首を振る。

「稜の為なら、何だってやるつもりなんだけど。...俺、この大学入るの、スゲー大変だったんだ。親にもめっちゃ迷惑かけたし、今辞めるわけにはいかないんだ」

「そんなの!当たり前だよ」

K大はこの地方最大にして歴史も古く昔から皆が憧れる大学のひとつで、地方にあるのがおかしいぐらいの大学だ。

千夏はウワサから『コネで入った』と言っていたが、そんなものが通用するような大学とは思えない。


「...ホントは、見合いなんて行ってほしくないけど。今の俺には何にも言えない」

「...羚汰」

そりゃ嫌だよね。いい気分なんてするはずない。


「ごめん。笑って、気にしてないよ行っといでって言おうと思ったけど。無理だわ」

腕の力が増して稜がきつく抱き寄せられる。


「ごめんね。言わずにおこうとも思ったんだけど...」

「黙って行くのはもっと嫌だ」

また羚汰の腕に力が入る。

「...だよね」



「昨日、稜の様子がヘンだったのは、コレ?」

「...うん」

何故だか、羚汰が少しほっとしたのが伝わる。

不思議に思って顔をあげて羚汰を見る。

羚汰が体を少し起こして、無理矢理に軽くキスをする。
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