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第32章 ウワサ その2
そのまま稜は深い眠りについていたようだ。


目を開けると、羚汰の長い睫が視界に入る。

あれから2人とも寝返りも打たず眠っていたらしい。

部屋が少し明るくなってきているのを考えると、相当長い時間眠っていたことになる。


稜は、羚汰の腕に頭を預けていた。

きっとしびれている。
シャワーも浴びたいし。

そう思って、頭を起こして体をズラそうとするも、羚汰に腕枕とは反対の腕できつく腰のあたりを抱かれていて身動きが取れない。


腕をそっと掴もうとすると、羚汰の体が動いた。
起こしてしまったようだ。

「んっ...稜?」

「ごめん。起きちゃった?」

「だーーめっ」

そう言って、ほどきかけていた腕でまた稜を抱きかかえる。
羚汰の胸の中にきつくホールドされ、稜は慌てて胸をたたく。

「羚汰っ、腕、しびれてない?」

「んー??べつに...」

腕の力が弱まったところで、するりと抜ける。

「ほんとだ。やっべ、超痺れてる」

起き上がろうとしてやっと痺れに気づいたらしい。

「大丈夫?」

「んー。すぐ治るっしょ」

起き上がって腕を曲げ伸ばししている。

稜はその間にワンピースを着て、部屋に置いていたカバンからガウンを出して着込む。

「シャワー浴びてくるねッ」

荷物を抱え素早く寝室を抜けて風呂場に向かう。

「えっ、俺も一緒にー」

羚汰がいつものようにそう言うのが聞こえたが、そこは聞こえないフリだ。

昨日は化粧も落とさず寝てしまったので、きっとドロドロだ。





ゆっくり熱いシャワーを浴びる。

体中に昨日つけられたシルシが目に入り、嫌でも昨晩のことが色々思い出されてしまう。

羚汰は、見合いの話をしょうがいないと言ってくれたけど、昨日のあの様子とこのアトは...。

どうすればいいのだろう。
6、7年後なんて待てないし、かといって今別れる決心なんてやっぱりつきそうにない。

2人で考えようとか思ってみたけど、あの悲しい顔の羚汰を思い出すとあまり気が進まない...。



悶々と考えながらもシャワーをすませ、リビングに戻ると羚汰が朝ごはんを作っていた。

「お腹空いたからさ、フレンチトースト、作ってみたよー。食べるでしょ?」

そこにはいつもの明るい羚汰がいた。
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