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第37章 クリスマスの奇跡
翌日の夕方、二日酔いの体を引きずってお泊り会から帰ると、軽く睡眠を取ってから、稜は荷物をとりあえずまとめはじめた。

羚汰から、「クローゼットの半分を空けたから、そこにとりあえず服を運んでね」と連絡が入っていたからだ。

あの長電話の後、嬉しくなって、すぐクローゼットを半分片付けたらしい。

片付けたと言っても、角部屋のクローゼットはとても広く、かつ元々そんなに服がなかったので、整頓したら半分空いたらしい。

早速、そんな風に動くなんて、どれだけ楽しみにしてるのだろう。

そうは言っても、稜の服全部は持って行けるとは思えず、厳選して荷物を運ぶ。

隣への移動なので、ダンボール等は用意せず、手で運ぶ。
それでも、行ったり来たりの往復は、結構体力を使った。
生理中なのもあって、思ったのの半分も運ばないうちに気付いたら羚汰の帰る時間だ。




「稜っ!ただいまっ!!!」

玄関で待っていると、勢い良く飛び込んで抱きついてくる。

まるで、大型犬だ。

「うふふ。お帰り、羚汰」

「あー。お帰り、いいね」

「今までも、お帰りは言ってたよ?」

「違うよ!今までのとは!!」

羚汰の腕が一段ときつく稜を抱きしめる。

「うふふ。そうかな?今までも、ほとんど一緒にいたし、変わらないかもよ?」

「それでもいーの!」

体が少し緩められ、手が稜の頬を包む。

至近距離に羚汰の顔が来る。

1日会ってないだけで、すごく久しぶりな気がする。

「稜、ありがと」

「何が?」

「俺と住むこと、決断してくれて」

「私こそありがとう。千夏たちに会うって言ってくれて。凄く凄く嬉しかった」

「大丈夫だよ。1回会ってるし」

「うん。そう言ってくれると思ってた」

羚汰が、ゆっくりと顔を近づけてくる。

鼻があたりそうで、息がかかる。

「稜、キスしてい?」

もうほとんど唇が触れる位置だ。

「うん。キスしたい」

そう言って、稜から軽く唇を合わせる。

羚汰のやわらかい唇が、稜を包むようにやさしく応える。

何度も角度を変えて、徐々に深まり互いの舌が求めて深く絡まってゆく。

稜が羚汰に体を預けるように首に手を回し、羚汰の腕は稜を一段と引き寄せる。

「んっ...」

「...ヤバイ、止まらなくなりそ」

羚汰の指が、唾液で光る稜の唇をなぞる。
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