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第39章 深まり
「高崎さん!これですよ〜!!」

会社に着くと、桃香が何やら雑誌を差し出してきた。
稜たちの住む街の地域情報紙だ。

常設のコーナーの他に『パン特集』や『花火特集』『イルミネーション特集』など、月によって様々な特集が組まれる。
稜も、特集によっては買うこともあるが、たいがいは美容院や歯科医院などでパラパラと読むことが多い。

桃香が持って来たのは、半年ほど前、夏前に組まれた『街のイケメン特集』の号だ。

「ほら、ここ!!」

差し出されたページを見てみると、そこには羚汰の写真が載っていた。

ラコルテの制服を来て、ピザ釜の前でにこやかに笑っている。
今よりも少し髪が短い。

「どっかで見たことがあると思ったんですよね〜!!」

「カフェじゃなくて、ラコルテじゃないですか!ランチに何回か行ったことありますよ〜」

そう言うのは瞳だ。

麻衣と里奈はまだ来ていないのか姿が見えない。

「こないだカラオケに来たんですってね!未損ねたわぁ!!」

そう言うのはお局の数子だ。
数子は毎年のことながら営業マンチームに加わって、スナックに行ったのだ。

「あ、やっぱり。コレに彼が載ってたの知りませんでしたね〜?」

食い入るように雑誌を読む稜に、桃香が笑いかける。

「知らなかった...。読んだのに」

この雑誌のことは覚えている。

街の色々な店や会社に勤めるイケメンが、推薦によって10人選ばれこの雑誌に載ってる。
それぞれ1ページに写真が数枚とプロフィールが載っていて。この中で誰が一番のイケメンかコンテストを行い、次の号で優勝者が投票によって選ばれる。

当時、桃香がこの雑誌を買ってきて、皆でどの人がイケメンかはたまた好みかカナリ盛り上がった。
まだ今ほど皆と仲良くしてなかったので、借りて読んだがそう大して会話には加わってなかった。

10人には、美容師やアパレル店員、旅行代理店のスタッフ、バーテンダーなど様々な職種のタイプの違うイケメンが並んでいる。

確か、この8番のバーテンダーが優勝した筈だ。

羚汰は5番で、“リョウ”と載っている。

「貸したげますから、後でゆっくり読んでください」

桃香がニヤリと笑う。

いつもの如く麻衣がギリギリに、駆け込んでくる。

そろそろ始業時間なのだ。

「ありがと」

稜は、コートをロッカーにかけに行った。
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