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第40章 candle night
「えー。変?」

「変じゃないよ。作りがいがあるから、嬉しい。...はい、これはミネストローネ。熱いから気をつけて」

キャンプ用品のマグカップに、暖かそうな湯気を立ててミネストローネが入っている。

「すごい!まだ出てくるの?」

「寒いかと思って。あったかいのいるでしょ?」

他にも、生ハムとカマンベールチーズが乗ったブルスケッタや、鳥のハーブ焼き、ミートボール煮込みなどなど、沢山の数の料理を2人で食べた。

「うー、もうお腹いっぱい」

「ミネストローネが後少しだから、手伝ってよ。持って帰るの大変じゃん?」

「もー無理。羚汰、頑張って!!...ワインなら手伝う!!」

稜が、にっこり笑って空になったグラスを掲げる。

「ダメ〜!後片付け手伝ってもらうから」

「えー」

「それに、一本しか持ってきてないし」

ぶーと膨れてみるものの、そりゃそうだ、と納得する。
片付けもさることながら、またあの脚立も登らないといけないのだ。
泥酔したら流石の羚汰も稜をおぶってあの柵は越えられない。一晩ここで明かさないといけなくなくなってしまう。

「お茶ならあるよ。はい」

水筒から紅茶が出てくるのを素直に受け取る。

「...ありがと」

そんな稜の頭をポンポンと叩いて顔をのぞき込む。

「じゃ、デザートのティラミス食べ...」

「食べるー!!」

羚汰が言い終わる前に、稜が手を上げる。
その様子に羚汰がまた声に出して笑う。

「何ー?」

「いやー、顔がコロコロ変わって忙しそうだなって」

そう言って笑いながら稜のほっぺたをつついてから、チュッと唇を重ねた。

離れてみたものの、また近づいて稜の唇を優しく吸う。
何度もリップ音が響く。

「んっ...」

ひとりでに稜の唇が開いてゆく。

珍しく羚汰の舌が入って来ないので、自分から差し入れるべきか迷っていると、羚汰が離れていった。

「ん...?」

目をあけてみると、羚汰が嬉しそうな顔をして見ている。

「続きは、デザートの後、ゆっくり...ね」

キスを待っていた自分が恥ずかしくなり、顔をそむける。

「...もうっ」

「ごめんって。このティラミス、美味しく出来たからさ、稜に食べて欲しいんだもん。ほら、スプーン」

大きめのカレー用のスプーンを渡される。
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