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NEXT 【完結】
第40章 candle night
「私のカバンって...」

「そこにあるよ。...何、携帯?」

稜はやっと見つけたカバンから包みを取り出す。
振り返ると羚汰が、片足を立てた膝にオデコをつけるようにしてうなだれている。

そんな風にされたら出しにくいんですけどー。

羚汰のそばに座り直して、包を差し出す。

「はい。これ、プレゼント!」

「え?...あ、そうか!ごめん、ありがと」

羚汰が珍しく照れている。

そういえば、お弁当以外でプレゼントをあげるのって初めてかもしれない。
この前私は花束をもらったけど。

さっきまでのふて顔が一気に嬉しそうな、くすぐったいかのような顔になる。

「...開けてい?」

「うん、開けて。初めて作ったから、ちょっと不細工なんだけど」

「何、手作りなの?」

包装をほどくと、小さな平たい箱が出てくる。

あげる側だけど、凄くドキドキする...。
気に入ってくれるといいけど。

中には銀で出来たピアスが5つ、入っている。

「え!ピアスじゃん。これ、稜が作ったの??」

「うん。純銀粘土の制作体験教室にね、行ってきたの」

一昨日の土曜日、駅前のビルでやってるカルチャースクールで開かれてる、教室に参加してきたのだ。

粘土をこねて、焼きを先生に入れてもらって、冷めてから研磨する。
全部の工程を1日で済ましたので、時間がかかった。

「5つも?」

「うん。粘土の量が決まってたからね。作れるだけ作ったの」

本当は、体験教室では、みんな指輪を作るらしい。
通常でもピアスを作る人は少ないらしかったが、無理言って作らさせてもらった。
指輪1個分の粘土で、5つ作ることができたのだ。

立体的でスタッズのようなもの。
スカルっぽいもの。
小さなリング状になったもの。
星型。
平たいスマイルマーク。
平たい丸にアルファベットのRが2つ重なって並んだもの。

「これはね、わたし達のイニシャルの“R”をちょっとデザインしてみたんだけど...ちょっとわかりにくよね」

「んなことないよ!すげぇ!!稜、上手だね!めっちゃ嬉しい!大事にする!!」

「ほんと?よかったー」

羚汰は今付けているのをいくつか外しにかかっている。

「稜、コレ着けて」

羚汰が箱から出したのは、Rが並んだやつだ。

「早速着けてくれるの?」

「うん」

羚汰の耳たぶの一番下に、そのピアスを着ける。
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