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NEXT 【完結】
第6章 喧嘩からの...
「ひゃぁあ」「うわっ」

マンションのエレベーターが開いた途端乗り込もうとした稜は、降りてきた人物とぶつかった。

まさか朝方4時過ぎに人が出てくるとは思わなかったので、思いっきり油断していた。


俯き気味の稜の頭と、相手の顔ー、メガネが思いっきりぶつかって、お互いぶつかった部分を抑える。

特に相手は、メガネにぶつかったので、痛みをこらえている。

「いってぇ」

「...すいません!」

相手はメガネをはずして、鼻の上辺りを抑えている。

「大丈夫ですか?...あ」

「なんだ、稜さんか~」

久しぶりに会うリョウだった。

先ほどまで痛がっていたが、稜とわかるとニッコリ微笑んだ。

「稜さんは大丈夫ですか。メガネが当たったけど」

「...私は」

「ぼーっとし過ぎですよ」

そういうリョウも、寝起きなのか眠たそうで、気怠そうにぼーっとしている。

「...ごめんなさい。鼻、大丈夫?」

降りる人が優先なのだから、どちらかと言えば、稜が悪いのだろう。
まだ片手で鼻を抑えたままのリョウに、謝る。

しかし、気まずい。さっきから謝りながらも顔が見えない。
まさかこんな時間にすれ違うとは思わなかった。

「...折れたかな」

「えっ!!!」

深刻めに答えるので冗談とは思わず、リョウのほうを見てしまった。

「ふふふ」

「...一瞬本当に心配したわ」

少しイラッとして、稜は我に返る。

いつも気付けばリョウのペースだ。面白くない。

「...大丈夫ならよかった。じゃ」

リョウがエレベーターを出ていたので、稜が乗り込もうと横をすり抜けようとした。
そこへ立ちふさがれる。
そして、メガネを手に持ったまま、顔を近づけて来た。

慌てて体を仰け反らす、稜。

「ちょ、何!?」

「なんかいい匂いがする~」

目を閉じてくんくん匂ってる。
長いまつ毛が間近に視界に入る。
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