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第44章 Situation
「な、んでっ...」

なんでイキナリそんな設定めいたような。
コスプレならぬ、シチュエーションプレイとでもいうのだろうか。

「...ホントはさっき、あそこでこーしたかったのにさ。稜がヤだってゆーから」

「あっ...やっ...」

両方の胸の頂きを同時に強く刺激され、逃れようと稜が悶える。

「ここなら、いいでしょ。...さっきの続きしよ」

次第に稜は考える余裕などなくなってくる。

羚汰の足が開かれ、その足に跨るように乗っていた稜の足も自然と開いてゆく。

「だ...めぇ...」

片手が離れ、タイツ越しに稜の腿をはい上がり、するりとスカートの中に侵入する。
ゆっくり近づいてから中心をじわりじわりと撫でまわす。
もう片方の手は胸にあり、まだ執拗に揉み続ける。
舌は耳の辺りを舐め回し、器用に3カ所へ刺激を与え続ける。

「...んはぁ...あっ」

「ほら、映画館なんだから、声押さえて」

どうやら映画館という設定は押し通すらしい。

「前の子たちに気付かれちゃうよ」

映画を見た時、数列前に大学生らしき女の子たちが3人いた。
稜たちの前の座席からは普通の1人用のシートで。
カップルシートは満席だったが、普通シートにはお客がまばらだった。
終わって座席を立つ時に、隣のヤンキーカップルが何やらヤっていることに1人が気付き、小走りに去りながらもひそひそと仲間に話していた。
3人はチラチラ見るものの、隣のカップルがガラ悪そうなので、逃げるように去っていた。
ヤンキーでなかったら、もっと足を止めただろうか。

「...っ」

稜は下唇を噛むようにして声を堪え、首を振る。

「ん、いいね。すげー色っぽい」

「あっ...はぁんっ...」

タイツの上から触られているのに、もう体がガクガクしてきた。

もっと、もっとさわって欲しい...。

羚汰もそのつもりで動いているようだが、ゴツいタイツが立ちはだかる。


着圧タイプのごつめのタイツは、体に密着して簡単に脱げるものではない。

「キツいね、このストッキング?てゆーの?」

「...今日、寒いかと思って」

まさか、こんの展開になるとは思ってなかった。

羚汰の手がかかるも、座ったままは脱げない。

2人で立ち上がり、笑いながらタイツを脱ぐ。
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