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第44章 Situation
羚汰が、稜の体を苦しいぐらい抱きしめる。

「苦しいよ」

羚汰の喜びように、稜も自然と笑顔になる。

「稜から言ってくれること少ないからめっちゃ嬉しい!」

「...えっ、そんなことない」

「そんなことあるよ!いっつも俺が言うと、そのお返しーってカンジで。稜から言い出すのってなかなかナイもん!」

体が離れて、

「も1回」

満面の笑みでそう言って顔を撫で、唇を親指でぷにぷにと触っている。

そんな真正面から期待の眼差しで見られたら、言いにくい。

顔を逸らそうにも、そうさせないオーラが漂っている。

「...好き。きゃっ」

言って恥ずかしくなって、すぐさま布団をかぶる。

「あ、ちょっと。ダメだよ。そんな言い逃げみたいなの」

「無理~。恥ずかしい~」

布団の中でじたばたする稜に、羚汰が手を伸ばす。

「つーかまえたっ」

羚汰も布団の中に入って来て、稜をまた抱きすくめる。

「ちょっと、ちゃんと目を見て言ってよ~」

「え、無理。ホント恥ずかしい」

「えー。なんで?俺は言えるよ」

「羚汰と違ってイタリアの血、流れてないもん」

抱きしめていた羚汰の腕が弱まる。

「は?俺もイタリアの血なんて流れてないけど?」

不思議そうに、可笑しそうに羚汰が顔を覗きこむ。

そうだった。
羚汰の立ち振る舞いがイタリア人っぽい、ジ○ーラモや料理研究家のベリッ○モっぽいと、勝手に思っていたのだ。
そのことを羚汰には言ってなかった。

「...なんか。羚汰ってイタリア人っぽいなって思ってたの。やっぱり留学してたりしたからかなって」

「へ?どこが??」

「どこがって...」

なんとなく。
女の子に対する扱いというかなんというか...。
甘いセリフとか、キザっぽいところ?

「ん?」

「...レディファーストなカンジ?」

なんと表現していいかわからず、そう答える。

「あはは。何それ。特にイタリアってワケでもじゃないじゃん」

稜のとまどいを感じ取ってか、笑い転げている。

「とにかく、イタリアっぽいの!...特に意識はしてないの?」

「うーん。そんなこと考えたことなかったなぁ。...イタリアの血かぁ」

まだ笑っていたが、ふいに笑うのをやめ、稜に向き直る。

「俺、誰にでも“好き”って言ってないからね。稜だけだよ?」

「へっ」
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