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第45章 お見合い
「とーってもお母さん思いなんですよ~」

正月の人が多いホテルのティールームで、稜はお見合いをしていた。



稜と、母親。向こうも、本人と母親。

それぞれのお仲人さん。


稜は、てっきり正式なお見合いとはー
個室で、着物でも着て、シシオドシがかっこーんとなるような日本庭園をぐるりとお散歩。
かと思いきや。

最近の、お見合い事情ではそんなのは稀らしい。

稜たちの家がある所から、車で40分ほどの海岸沿いに昔からあるホテルのロビーにあるティールームでのお見合いだ。

いつもなら寂れたホテルのティールームは空いているのだが、流石に三が日で人が溢れている。

温泉とホテルから見える海の景色が一応売りのホテルで、老舗とまではいかないが古びたたたずまいで、比較的お安めの設定の為か宿泊客はツアー客のお年寄りが多い。

自然とティールームもお年寄りが多く、見合いをしている稜たちが明らかに目立っている。


稜は、コーヒーのカップを持ちあげて、少し飲んだ。

ティールームには、もちろんカフェラテなんてコジャレたメニューはない。

薄いアメリカンにミルクを足すと、なんとも言えない味になってしまう。

あまり飲みたくはないが、間が持たないので仕方がナイ。

カップに口をつけながら、さり気なく見合い相手を観察した。


グレーのスーツに、白いシャツ、そして黄色いネクタイ。

見合いの服装としては、無難なものだろう。

暑いのか、さっきから小さなハンカチで汗ばかりを拭っている。

ホテルのロビー全体にエアコンがよく効いていて、稜たちが座る窓際は日も当たって暑いぐらいだ。

首がすこし詰まっているからか、指を入れて緩めている。

しかし、きつく締めたからか緩めれなかったのか、また汗が吹き出して、慌ててハンカチを持ち直して額を拭いている。

太い指が小さなハンカチで大きな顔を拭く動作が滑稽でならない。

体重は、ゆうに100キロは超えているだろう。

新しいものとおぼしきスーツはともかく、中のシャツがバッツンパッツンだ。
ネクタイで隠したつもりだろうが、ボタンが明らかに引きつっている。

この場所が暑いのか、シャツがキツイからか、汗が止まらないようだ。

他の人達は、暑いと言っても汗をかくほどではない。

稜はカップを置きながら、こっそりと苦笑する。


あまりにも写真と違い過ぎる。
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