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第45章 お見合い
釣り書きに付いていた写真は、いつの写真だろう。

察するに、ここ数年のものではない。
きっと10年ぐらい前のものだ。

あの写真では、ほっそりとして見えるぐらいスマートだった。
今は、きっとその時の倍以上はあるだろう。

この見合い相手ー、佐々木さんは、稜の角度からはよく見えないが、明らかに太り過ぎで、薄い後頭部には段があるように見える。
首はもちろん埋もれているし、お腹は1m以上ありそうだ。
小さな銀縁のメガネは頬肉に乗っているし、人相すら違って見える。

待ち合わせのロビーで初めて見たとき稜は、母親と思わず顔を見合わせた。

そのぐらい写真とは別人だ。

太っていることどうこうより、見合い写真とあまりにも違うことを理由に断れる。


お仲人さんが何やら肩書きやら仕事内容やらを自慢気に延々と話しているが、全く頭に入らない。

これだけ写真と違うなら、それを理由に断ることが容易に思えた。
あとはこの時間を耐えれば済む。

稜は、佐々木さんと目を合わせないようにしながらも、なんとか笑顔を保っていた。

時折話を振られるが、「ええ」とか「まぁ」とか適当に相槌を打つ。

羚汰は今頃どうしているだろうか。

今日は確か、羚汰の地元の市主催で、100歳の人を招いてのお祝い会が有名ホテルであると言っていた。
市長さんから、花束と記念品が贈呈されるとか。
親族一同で参加するらしい。

昨日は、おじいさんの好きなボウリングの大会を一同でして盛り上がったと写真が送られてきていた。
30人から参加して、ハンデを付けた小学生が優勝したと、トロフィーを持った甥っ子と羚汰とおじいちゃんが一緒に笑っていた。

羚汰は、ハンデを当然ながら全くもらえず、下からの順位のが近かったらしい。


「...じゃあ、そろそろ若いお二人でお話をしてもらってー」

なんだが判をついたような、お仲人さんのお決まりの台詞が飛び出して、稜は我に返る。

どうやら、佐々木さんとこれから出かけないといけないらしい。

母親に目で訴えるが、行ってくるようにと目で返される。

仕方なく席を立って、佐々木さんと出かける。


このホテルには車で来ているらしく、車で出かけるようだ。
確かに、この辺りにはこのホテル以外めぼしいものは何もない。

促されるまま、車に乗る。
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