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NEXT 【完結】
第45章 お見合い
「俺ばっかしたいことシテる気がして、さ」

稜が羚汰の指と絡め胸から離した手を、浴槽の外に出す。

「だから。何でも言ってよ。それに付き合うから」

羚汰が後ろからにんまり笑って覗き込んでくる。

「そんなの、ナイよ」

「えー?ナイの??」

演技なのか本気なのか、羚汰が大袈裟なぐらい驚いている。
それのほうが稜はビックリだ。

「ナイよ!!」

「うっそー!なんでもいいんだよ?コスプレしたいとかさー。変わった体位がしたいとかでもいーし」

「...羚汰はしたいの?コスプレ」

「んー、まあね。って、俺じゃなくて、稜は本当にナイの?」

稜は首を振る。

今のままで十分ー、というより、今でもついていくのがやっとだ。

「他に...そーだなぁ手錠したり、ムチで叩かれたいとかは??あ、それとも俺を叩く?叩かれんの好きじゃないけど、稜がヤリたいなら...」

「そんなのやりたくない!」

慌てて否定する。
このまま放っておいたらどんどんエスカレートしそうだ。
でも、こんな事を言うのは恥ずかしすぎる。

「しいてゆうなら...」

「え!なになに!?」

「...羚汰の...」

言いかけて言葉に詰まる。

「ん?俺の?」

稜が恥ずかしがっているのが分かって、微笑みながら言い切るのを待ってくれている。

「羚汰の...顔をね、見てたい、...かな」

消え入るような声でなんとか言い切った。
羚汰は意味がわからないらしく、キョトンとしているようだ。

「...は?いつでも見たらいいじゃん?」

「違っ、...そーいうんじゃなくってっ」

「?」

「...っ。...その。今さっきの、が悪いとか、嫌だとかじゃないんだけどっ。私は、その...どっちかって言うと、向き合ってたい、...かなぁって」

そこまで言うと、羚汰にもわかったらしい。

「!バックじゃなくて、前からの正常位とかがいいってこと?」

「ちょっと!声が大きいっ!」

「あは。誰も聞いてないって。...あ、だから体面座位が好きなの?」

それは質問というより、確認したといったカンジだ。

そうなのかな。
あれはでも特別な気がする。
まだ羚汰のことをよく知らない頃に夢に見たからー。

「ん、じゃ、スグやろ」

羚汰が急に立ち上がろうとする。

「えっ、きゃっ」
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