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第47章 思い込み
ざざっと浴びるだけのシャワーからあがると、宣言通り羚汰がキッチンで何やら朝ごはんを作っている様子だ。

「もう出来るよー」

稜に気付いて声をかけられるも、カウンターの前を急いで通り過ぎ、寝室に逃げ込む。
慌ててシャワーに向かったので、バスタオルしか身にまとっていない。
着替えを済ませてまた居間に戻る。

カウンターに朝ごはんとして、オムレツとサラダ。そしてトーストとカフェラテが置かれている。
昨日稜が作った朝ごはんより数段小じゃれている。

「お弁当も適当に詰めたらいい?これでしょ?」

羚汰が手に持っているのは、昨日、スーパーで買って帰って晩御飯にしたお惣菜の残りだ。

「え、あ、うん。ありがと」

恥ずかしくて顔から火が出そうだ。

羚汰はまだ学校が始まるのが先で、バイト三昧が続く。
当分羚汰の弁当がいらなくて、自分ひとりの弁当ならと昨日の晩御飯の時に残しておいたのだ。

「いただきます...」

カウンターのスツールに座って、オムレツを口に運ぶ。
チーズとカットしたトマトの入ったそれは、熱でとろりと溶け合いとても美味しい。

なんだかとっても悔しい。
羚汰の作る料理はとても洗練されていて、オシャレなのだ。
それに比べ、普段から自分の作る料理の庶民的なこと。

「え、美味しくない?」

「ううん。美味しいよ。美味しすぎて、ちょっと悔しいなって」

「へっ?」

羚汰が思いも寄らなかったのか、不思議な顔をしている。

「何でもない!」

慌てて残りのオムレツも口に入れる。

「へーんなりょーう」

楽しそうに羚汰が笑ってお弁当の蓋を閉め、袋に入れている。
今にも歌い出しそうな羚汰に、稜も笑いが溢れる。

「楽しそうだね」

「うん。ちょー楽しい。はい、出来た」

お弁当の袋をカウンターに置く。

「ありがと」

「じゃ、俺もシャワー浴びてくるね」

羚汰がシャワーに消える。

のんびり食べていたが、気付くと時間があまりない。
残りを急いで食べ、洗い物をし、歯を磨く。
ソファで化粧をしていると、羚汰がシャワーから上がってきた。

「用意出来たー?」

「もうちょっと」

ちょうどビューラーを使っていた。
マスカラを塗って、グロスを塗れば完成だ。

いつの間にか羚汰が隣に座って間近で見ている。

「すげー。いっつも思うけど、女の人って大変だよね」
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