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NEXT 【完結】
第47章 思い込み
ガチャリと音がして非常階段のドアが開く。

「高崎さん、すいません。急ぎの電話です」

里奈が顔を出す。

「あ、ごめん。すぐ戻るね。...羚汰、ごめん。行かなきゃ」

「LINEでまた終わる時間とか教えて。こっそりチェックするから」

「わかった。ありがとう」


慌てて仕事に戻り電話に出る。

やはり数子も帰って来ていて、皆そこそこ忙しそうだ。

こんな事に時間を使ってしまって申し訳ない。

稜はやるべき仕事を再開した。



それから普通に業務をこなし、今日は定時で上がれそうだ。

終業時間間近になって、営業の山本がにこにこして戻ってくる。

「高崎さん。さっき、玄関のとこで、婚約者という人に会ってー」

そう言い始めて、稜はもちろん女の子達が驚いて立ち上がる。

「ええっ!」

山本はそんな迫力におされながらも続ける。

「えっ!...仕事は何時に終わるのか聞かれたから、いつもは6時って...」

「もー!山本さん、何教えてるんですかぁ!!」
「信じられない!!」

口々に責められて、山本はたじたじだ。

「え?え?だって...、え?」



羚汰の言う通りだった。

佐々木はどこまで非常識なのだろう。

この後に及んで、まだ婚約者とか名乗っているのにも、ぞっとする。

後輩くんに迎えに来てもらうことにして正解だったかもしれない。

「高崎さん、大丈夫ですか。今日、よかったら送りますよ」

桃香が心配して声を掛けてくれる。

「ありがと。それが、羚汰が後輩くんを迎えによこしてくれるって」

「後輩くん!?イケメンですかぁっ?」

そこで目を輝かせて食いついたのは、麻衣だ。

「ちょっと麻衣ちゃん」

桃香がたしなめる。

「うん。私も一度しか会ってないけど、確か背が高くてハーフっぽいイケメンだった気が...」

「きゃあっ。私もっ!私も高崎さん送りますっ!」

「私も〜」

皆、心配してくれているのか、イケメンに興味があるのか送ってくれるという。
稜は、その言葉に甘えることにした。

ユウと二人きりというのも何だか申し訳ないし。
女の子だけで帰るのも怖い気がするので、ちょうどいい。

しかし、佐々木は仕事終わるのを待って何がしたいのだろう。

食事はもちろん、あんなにハッキリと断ったのに。
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