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NEXT 【完結】
第47章 思い込み
何をどう言ったらいいか。つい考えて無言になってしまう。

「どうしたの?マジで何かあった?」

さっきまでの柔らかい雰囲気が心配したものに一変する。
あまり心配をかけてもいけない。

「えーっと、それが...」

戸惑っていても仕方ない。
仕事を抜けて電話しに来ているから、あまり時間もない。

断ったはずの見合い相手が職場に押し掛けて来たこと。
しつこかったけど、なんとか追っ払ったこと。
職場の皆が羚汰に電話することを許してくれたこと。
などを、ざっと説明する。

羚汰は、電話の向こうで驚いていたようだが、無言で聞いていた。

「バイト中にごめんね。でも、羚汰の声が聞けてよかった」

「...ちょっと待ってて」

何を言われるかとドキドキしたが、羚汰がそう言って電話を保留にする。

えっ、と思ったが、何かを言う間もなく保留になったので、待つしかない。

非常階段は寒くて、待っている時間がすごく長く感じる。

話を聞いてもらえるだけでよかったんだけどな。
そろそろ数子さんも帰って来るだろうし、戻らないと...。

保留状態を切ってしまおうかと思っていると、羚汰が戻ってくる。

「ごめん。やっぱ、夜のバイト休めないー」

どうやらお店に交渉していたらしい。

「えっ、いいよいいよ。ほんとごめんね。報告したかっただけだから...」

「その代わり、ユウを迎えに行かすから。マンションまで送ってもらって」

ユウ?って、バイト先の後輩だっけ?

「アイツ、今日休みでさ。なんとか捕まえた」

「そんな!悪いよ。もう大丈夫だから...」

「いいの!俺が心配なの!!」

羚汰が強い口調で遮る。

「そいつ、明らかにストーカーじゃん?会社の前とか、マンションの前とかにいるかもしんないじゃん!」

そう言われて、ぞっとする。

暗闇ににたにた笑って潜む佐々木が安易に想像できる。

「ユウは、ダイキと違って安心出来るし」

ちょっと、どーゆー意味ですかっ。

電話の向こうでダイキと思われる人物の声と、周りの人のくすくす笑う声が聞こえる。

「何もないに越したことナイから。俺の安心のためにも、送ってもらって」

「...わかった」

「アキラさんいなかったらなぁ〜。ココに来てもらって俺がバイト終わるの待っててもらえんだけど」

?アキラさん?こないだからちょくちょく聞く名前だ。
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