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第47章 思い込み
それを言われると、言葉に詰まる。

確かに、家柄がいいというのは、見合いのポイントだろう。

だけどそれは、お見合いを勧めてくれたおばさんの勧めと、母親の希望だった。

稜のほうから『お金持ちがいい』と要請したわけではない。


「僕は、そちらがどーしてもお見合いを希望しているからと言われて、仕方なく了承したんですよ?」

はぁあ!?

どっからどうなってそうなるんだろう。

どうせ、あのおばさんが、良かれとは思ってだろうが、あることないこと吹き込んだに違いない。


「じゃあ、すいません。間違いでした。どーーーしてもお断りしますので、ご了承下さい」

ペコリと頭を下げる。

これで了承するとは思えないが、このカンジで突き進むしかない。


「僕の話を聞く気がないというとこですか」

「そうですね。一緒に食事なんて考えられません」

「頑固な人ですね」

また両手をあげて、首をすくめる動作をする。

「佐々木さんほどじゃありません」

「こちらは、そんなあなたでも貰ってあげると言っているのに...」

ここまで来て、まだ上から目線だ。もううんざりする。

「貰ってもらわなくて結構です。あなたと結婚するぐらいなら一生独身でいいです」

流石に言い過ぎたか。

相当ニブイ佐々木にもこの言葉は突き刺さったらしい。


「...後悔しますよ!?」

「いいえ。しません」


「...後で言ってきてもダメですよ」

「ご安心ください。そんなことは決してありません」


「ホントにいいんですね?もうこんなチャンスは二度とないかもしれないんですよ!?」

「ええ。もう二度とお会いしたくありません」


「後悔しても知りませんよ?」

「だから、しません」


じりじりと迫ってくる佐々木に、稜が少しずつ後ずさりをする。

しかし、もう、言葉が浮かばないのだろう。同じセリフを繰り返し始めた。


「あれー?高崎さん~」
「ほんとだー」

若干わざとらしくはあるが、桃香たち3人がビルから出て来て通りかかる。
どこかでタイミングを見計らっていたのだろう。

「どーしたんですかぁ?」
「みんなで、ゴハン行こうって言ってるんですけど行きます?」

「うん。行く」

稜は、佐々木に向き直る。

「...ということですので、私はこれで」
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