この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
NEXT 【完結】
第47章 思い込み
軽くお辞儀をして、その場を離れようとした。

背中を向けたところ、肩を佐々木に掴まれる。

「ちょっと待てよ!」

「きゃっ」

分厚い手に掴まれて、稜の体がバランスを崩す。

「こっちが下手に出てやってたのに、つけやがりやがって...」

「ちょっと離して」

「僕がこんなに引き下がってやってるのが、なんで分からないんだよ!」

両腕を掴まれ、至近距離で叫ぶので、ツバが飛んでくる。

迫力というより、嫌悪感で顔を背ける。


次の瞬間、佐々木の手が払われ、稜の体が引きはがされる。

「いい加減にしなよ。いい歳こいてみっともない」

ユウがいつの間にか、車から出て来て助けてくれたのだ。


彫りが深く端正な顔立ちが睨み付けるとそれは迫力がある。

背も佐々木より15センチ以上は高いので、かなり見下ろすカタチだ。

イキナリ登場したユウに、佐々木もかなり戸惑っている。


「き、きみは誰だっ」

「誰だっていいだろ。通りすがりのモンだよ」

「か、関係ないだろ。こっちは話し合いをしてるんだ」

「話し合いには見えなかったけどな」

佐々木をギロリと一睨みすると、言葉に詰まる。


「...大丈夫ですか」

ことさら、通りすがりの他人という風に、ユウが稜に話しかける。

「あ、はい。助かりました。ありがとうございます」

「あんまりしつこいようなら、警察呼んだほうがいいと思うけど」

と言いながら、ちらりと佐々木を伺う。


警察、と言う言葉に、過敏に反応して慌てている。

「...警察までは呼びたくないので、帰って下さい。そして、二度と来ないで下さい」

稜が佐々木に話しかける。

「う、...こっちこそ、お前なんか、二度と顔も見たくないって思っていたところだっ」

捨て台詞にしては全く迫力のナイものをぶつぶつ呟くようにして、そそくさと車に乗って去って行った。


佐々木の車が見えなくなるまでじっとしていたが、信号の先で曲がったのをみて、稜はため息をつき、みんなは稜を取り囲む。

「きゃー、上手くいってよかったですね!」
「高崎さん、かっこよかった!」
「ユウくんも素敵だったぁ~!!」
「ホント、上手くいってよかった...」
「いやあ、俺は大してなんも」

これで、あの佐々木もサスガに思い知っただろう。
/1240ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ