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第50章 ドライブデート
何気ない質問にドキリとする。
前に来たのは、コンパで知り合ったマサトシと彼の運転するスポーツカーで、ドライブデートで来たのだ。

「あ、...えーっと」

羚汰が立ち止まり、手を繋いでいた稜もとまってしまう。

うまいごまかし方が思いつかず、羚汰の顔が見えない。

「はっ。聞くんじゃなかった」

そんな戸惑う稜に、察したらしい。

「元彼?」

不機嫌そうなその質問に、どう答えたらいいのだろう。

「...えーと。元彼じゃなくて、その...」

「でもデートなんだ」

「そう、かもだけどっ」

羚汰の言葉にトゲがあるようで慌てる稜を、羚汰が抱きしめる。

「ごめん。キツく言って。...そいつに、超ムカついて」

ぎゅうっと強く抱きしめられて、羚汰の想いの強さに改めて気付かされる。

こんなにも想ってくれてるのに、他の男とデートで使った店に来るとか非常識だっかもしれない。
でも、何か言っても余計オカシイ気がして、稜は迷いながらも黙っていた。

「そいつと、カフェラテ飲んで、洋梨のタルト食べたんだ」

「...そうだけど。食べたのは私。向こうは紅茶だけ」

「...ふーん」

嫌な沈黙が流れる。

抱きしめられているので、羚汰の表情がわからない。

どうしようか、詳しく相手のこととか言ったほうがいいのだろうか。

ぐるぐる考えをめぐらしていると、羚汰のほうが先に話し出す。

「この後、どこか行った?」

「あ、えーっと。その辺の海岸をちょっと歩いた、かな」

羚汰が踵を返し、海岸のほうへと歩き出す。

つなぎ直された手がキツく握られ、そして先をどんどん歩くので、またしても表情は見えない。

大股に歩く羚汰に必死でついていく。

今日の“面接”の為に、稜もキレイ目ワンピにヒールを穿いているので、歩きにくい。

稜たちが歩くのは遊歩道で、そこに街頭がまばらにある程度で、海の方角は真っ暗だ。
どこまでが砂浜で、どこからが波打ち際なのか、音で判断するしかない。

時折、強風が吹いて寒さが込み上げるものの、羚汰はずんずん進む。

稜は必死で歩いて、コートの中は汗ばんできたぐらいだ。
マフラーを車に置いてきてしまっているので、顔が寒い。
きっと鼻が赤くなっているだろう。

遊歩道を半分ぐらい歩いて、羚汰が歩みをとめる。

「...で?それから?」
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