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NEXT 【完結】
第50章 ドライブデート
稜はそっと口づける。

暖かい感触が、唇を伝って体全体を走る。

羚汰の下唇と上唇に交互に軽く吸う。
角度を変えて何度も何度も。

暗闇に、波の音と、自分たちの呼吸、そしてキスの音が響く。

ふと目を開けると、羚汰がじっとこちらを見ている。

「そんな見ないでよ。恥ずかしい」

「やだ。見てたい。...てか、もうやめんの?今のじゃ足りないんだけど」

羚汰の指が、稜の唇をぷにぷにと触る。

「んでもって、もっとエッロいチュウがいんだけどな~」

にっと笑う羚汰に吸い寄せられるようにして唇を重ねる。

いつもなら羚汰の舌が入ってくるのだが、どうやら稜を待っているようで、舌先が触れるのみだ。

稜は思い切って深く差し入れる。

ベッドの上や、部屋の中ならともかく、外でここまでのキスをしたことはない。

恥ずかしさが先に立つが、このままではいつまで経っても終わらない。

いつも羚汰がするように、口内をゆっくり這い回り、歯列をなぞり、上顎に当てる。

「んっ、んふっ...んっ」

「っ...ん...」

羚汰からも微かに声が漏れているようで嬉しくなり、稜が出来る限りのキスをする。

羚汰の手が髪やお尻を撫でているが、全く気づいてもいない。

優しく絡まっているだけなのに、羚汰の舌がねっとりと包んでいるようで、稜は次第に意識が飛びそうになる。

「ん...。だいぶ上手になったね」

「...ほんと?」

荒い呼吸を繰り返しながら、稜が体を離そうとする。

がっつり頭を掴まれ、離れられない。

「ふえっ」

「まだまだだけどね」

稜の体が倒され、慌てて羚汰の首にしがみつく。
と同時に覆い被さるようにして、羚汰の舌が入ってきた。

「んんっ...」

最初から激しく口内を攻められ、その動きに頭がくらくらする。
羚汰からの熱で、体の芯に火をつけられたかのように全身が熱くなり、そのまま溶けてしまいそうだ。

「ん。ヤバイね。これ以上は、止めれなくなりそ」

稜の顔のあちこちに、キスを落とす。

「私、もうダメぇ...」

体から力が抜けそうになるのを、必死にしがみつく。

「稜、こっからマンションまで、どのくらい?」

「ん?...2時間ぐらい、かな」

そう答えるのにも時間ががるほど、頭が回っていない。

「やっぱ、来がけにあったホテル行こ?マンションまで我慢出来ない」
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