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NEXT 【完結】
第50章 ドライブデート
「...そ、んな...」

「だって、ココじゃサスガに無理だし。それとも、車でスル?」

稜の車は古い国産の小型車だ。
きっと今時の軽自動車のほうが広いぐらいの狭さで、特に天井はかなり低い。
トランクと後部座席には、今日買ったシーツや布団カバーが数セットと、食器など沢山の物で溢れている。

「ね、ホテル行こ」

羚汰がそのまま稜を抱えるようにして、立ち上がった。

支えられてやっと立った稜は、真っ赤な顔で頷いた。







結局、マンションまで帰ってきた。

途中、あのラブホテルに立ち寄ったのだが、『満室』だったのだ。
他にも道沿いの数件に寄ってみたが、どこも同じ状態で入れるところはなかった。

「土曜日だからか?皆さんオサカンね〜」

なんだかおっさん地味たセリフに吹き出してしまう。

イライラしていた羚汰も次第に笑い始め、そういう雰囲気ではなくなってきた。
そして、半分ぐらい帰ってきた所で、もうマンション帰る?となったのである。

マンションの近くにあるコインパーキングに車をとめて、荷物を一度で運ぼうと2人とも沢山抱えてエレベーターに乗る。

羚汰が持っているシーツ類は、今使っているセミダブルのセットと、今度来るダブルのセットが3つずつあり、かさばり重い。
稜は、食器やランチョンマットなど台所用品の他に、衣類の仕分けが出来る不織布で出来た折りたたみBOXが結構沢山ある。どちらも見た目より密かに重たい。

やっと部屋に戻って来た時は、ぐったりと座り込んでしまった。

「買いすぎたね...」

「ほんと、それ。店ではカートあるから気にせずガンガン買っちゃったけど、こっちナイもんなぁ」

稜がなんとか立ち上がり、コートを脱ごうとする。

「あ、ちょっと待って」

その手を止められる。

「俺、ちょっと気になることあって、稜の部屋に行きたいんだ。ついてきてよ」

羚汰が勢い良く立ち上がり、稜の手を掴んでぐんぐん進む。

「えっ、ちょっ、なんでっ?」

イキナリの事にワケもわからず、羚汰に連れられて、久しぶりに自分の部屋に入る。

つい最近までこの部屋に住んでいたのに、懐かしさよりもなんだかアウェー感がする。

「気になることって?」

羚汰が部屋をぐるりと見渡している。

「今日、千夏さんに聞いちゃったんだよね〜」
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