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NEXT 【完結】
第51章 旅行 〜前編〜
「えっ、俺が食べるの?」
「そう。だってバレンタインだもの」
「マジかー」

少し困った様子なものの、照れて嬉しがっているのがよくわかる。

「「あーん」」

フォークの上に、タルトの部分とチョコと生クリームといちごの乗った大きな塊を、口いっぱい頬張る。

「どう?」

失敗とまではいかないが、何度も作って、なかなか美味しく出来たはずだ。

「ふまっ!!」

まだ大部分が口の中だったが、羚汰の目が見開く。

「本当?じゃ、私もー」

いちごとチョコタルトの相性が悪いわけない。
苦労してチョコタルトをまたフォークに乗せていると、羚汰がそのフォークを奪う。

「今度は俺がー。はい。あーん」

なんとか咀嚼した羚汰が、フォークにもう一ついちごを乗せて、稜に差し出す。

「えっ、ちょっと多くない?」

「さっきの俺のに比べたらちっさいって!」

仕方なくなんとか口に入れる。

「ん!おいひい!っ...けど、たへにくひー」

2人でゲラゲラ笑いながら、タルトを食べさせあっこする。

流石に半分ぐらいで、2人ともフォークが止まる。
チョコクリームがまったりと胃にこたえる。

「もー、無理〜」

「また明日食べよー」

羚汰がラップをして、冷蔵庫にしまってくれる。

「ああっ!」

ドアが締まると途端、羚汰が驚いたような叫び声を上げる。

「えっ、どうしたのっ?」

机に伏せるようにしてぐったりしていた稜だったが、その声に飛ぶように起き上がる。

「ケーキの写真、食べる前に撮っとけばよかったー」

「...なーんだ。びっくりした」

冷蔵庫の前で項垂れる羚汰に、後ろから抱きつく。

「稜から初めて貰ったバレンタインチョコなのにー」

「うふふ。バレンタイン当日にはまた何か違うの作るよ?」

勢い良く振り返り、稜を抱きしめなおす。

「本当に!?」

「うん。まだ何作るか決めてないから、リクエストも受け付けるよ」

「やっべー。...幸せすぎる」

大袈裟だな、と思ったけど、口には出さない。
確かに、すごく幸せだ。

稜も腕を回して羚汰に抱きつく。

「稜...」

名前を呼ばれて顔を上げると、唇が近づいてそっとキスが始まる。
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